桑原聡建築研究所

Satoshi Kuwahara Architectural Studio

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2010年2月のアーカイブ

Column

2010年2月 [ 22 entry ]

柳川

20100228-1.jpgたかせで瓦そばを食べる。
この瓦そば、門司港のマンションの改装(門司港レトロハイマート)を手がけた時にクライアントとよく食べに行ったもので、焼いた瓦の上に蕎麦を盛って石焼ビビンバのようにカリカリした食感を楽しむものだ。
そのとき以来はまっていて、その後福岡にお店が出来たこともあって時々無性に食べたくなるのだ。

その後、柳川へ。
柳川も大好きな町だ。
ドンコ船という船頭の操る船に揺られてお堀の水路を巡る。
寒い駄洒落を連発する船頭に合わせて作り笑いしながらもなかなかゆったりした風情が楽しめる。
同じように水路の発達したヴェニスやアムステルダムと違って街並の密度が疎らな柳川には吸込まれるような静寂と穏やかさがある。

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福岡

税理士である義母のもとへ確定申告のための書類を届けようとこの週末、福岡へ。
この時期、税理士はとんでもなく忙しいので私たちは市内にホテルをとった。それで食事くらいは一緒に、と思っていたのだが、あいにくアポがあるらしく会うことはできずに書類を郵送することに。
せっかく航空券もホテルもとっていたので観光することにした。

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初日、寿司を食べに薬院のやま中へ。磯崎アトリエの設計。
寿司を食べたら満足してしまい、適当にお散歩してホテルにチェックイン。

お散歩の途中、今泉の李離宮という複合施設に立ち寄り、イルムスの上階に入っている広松木工のショールームでお店の女の子と娘と一緒になって木のパズルで遊ばせてもらう。

夕方になって突然、思い立って近所のソフトバンクでついにiPhoneに乗り換えすることに。
何も福岡に来てまで携帯買うこともなかろうに、、、と思いながらも、家族は思い立ったらやるまで気が済まない僕の性格をよくわかっていて、つきあってもらった。

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家具撮影

朝一で浦和スタジアムの近くのヒノキ工芸の工場へ。
新しく作る家具の打合せ。
10時半までに事務所にかえって打合せのつもりが工場内を見て歩いているうちについつい長居してしまい、大幅に遅刻。
デザイナーの山本君、監修役の僕のコメントを求めてやってきたのに1時間半もお待たせしてしまい本当にゴメンナサイ。

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午後からは唯アソシエイツの事務所内に私がデザインして設置した家具の撮影。
なかば倉庫状態の狭い事務所での無理矢理感のある撮影だが、カメラマンの勝田さんを8時間半にわたって拉致。
事務所スタッフ総出で家具その他障害物の移動、背景紙設置からライティングまでアシスト。
10時半に何とか終わりました。
みんな、お疲れさま。

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臭いの探偵

20100224.jpgあたたかな一日だ。

私は設計していないのだが中古住宅を購入してリフォームされたお客様の相談窓口として関わっている案件がある。

竣工直後から下水の臭いに悩まされた。
敷地は斜面地で地下1階のレベルが道路とほぼゾロだ。
勾配がとれないために配管経路に無理をしたらしい。
3カ所あるトイレを順番に流してみて配管経路の検証を行うと一カ所だけ竣工図と異なる場所がでてきた。
汚水が地下壁に進入する湧水を集める配管にもろに接続されていることがわかった。
水を集めるドレーンが床のすぐ下に数カ所あって掃除口もあいている。
配管を清掃すると配管途中に滞留した汚物が沢山でてきた。
臭うはずだ。

さあ、これをどうしたら良いものか、
配管経路を竣工図面通りに直せば改善されるが、分厚いコンクリートを切り取って大掛かりな工事をしなければならない。

もうひとつテラスの排水が悪いというのでこちらも清掃。
するとゴルフボールが何と42個、中からでてきた。
ここは以前人工芝が貼ってあったところ。
排水口の蓋が取れてなくなっていた。
前のオーナーが排水口をカップに見立ててパターの練習をしていたのか?

こういうこともある。

ランチは代官山のミケランジェロで。

無言電話

20100222.jpg最近取引先の方から、「朝早くにお電話いただきましたがかすかな音と息づかいだけのおそらく間違い電話だと思いますが、、、」との連絡をうけることが何度か重なった。
???

今日事実が判明した。
私の携帯が鳴っている。
とれずに切れた。
長女からだ。
折り返す。
しばらくして相手が出る。
しかし聞こえるのはかすかな音と息づかいだけ。
もしもし、もしもし、、、返事はない。
もしや?
携帯に入っていたメッセージを聞くと、1歳になったばかりの次女のものと思われる叫び声で終わっていた。

携帯、大好き。あちこちかまわずかけていたらしい。
関係者の皆様お騒がせいたしました。

「世田谷美術館を設計した建築家の足跡をたどる」展

ここのところ週末に出かけることが多かったので、見たいものや行きたいところが溜まってしまって、精力的に見て回っている。

20100221-1.jpg今日は世田谷美術館にて開催中の「世田谷美術館を設計した建築家の足跡をたどる」展へ。
「健康とは〈生きているもの〉の価値基準である。人は病んだとき初めて健康の喜びや健康の価値を知るのであるが、このごろの建築をみていると、つくづく健康な建築の必要性を感じる。最近の建築はどこか病んでいるようだ。人間と建築とを同一に考えることはできないが、健康という価値基準を建築にあてはめることはできる と思う」
内井昭蔵著「健康な建築」(1980)の冒頭文より。

初期の代表作「桜台コートビレジ」(1970)を初めて見学した時のことを良く覚えている。集合住宅という地味なテーマでありながら力強く躍動感のある建築だと思った。

20100221-2.jpg思えば1985年、藝大院1生のころ、同期の渡辺や横溝達とともに5人のチームで臨んだコンペがあって、その審査員が内井昭蔵さんと宮脇壇さんだった。
結局我々はチームを解体し、5人で4案提出するという反則技で1等、2等、佳作と賞金総額確か80万円とか90万円とかを手にして皆で山分けした。
僕の案が1等だったから、表彰式では内井さん、宮脇さんとがっちり握手した。
内井さんのがっしりした手の感触はまだ覚えている。

その後、僕はそのコンペの主催者であった不動産会社の建築部門に就職するというおまけまでついた。

会場には膨大な図面とスケッチが展示されており、かなり見応えがあった。
当然トレーシングペーパーに描いては消し、描いては消ししてビリビリに破けた手書きの図面ばかり。
私もつい10年くらい前までは原図といえばトレーシングペーパーに鉛筆書きだった。
それを知らない世代には新鮮なのではなかろうか。
よく見ていくと例えば1980年の身延山久遠寺宝蔵殿では、実施図面で意図した軒先の納めが現場で変更されていたりもする。
今と違ってかなり現場主義だった時代だ。

20100221-4.jpgランチは谷口吉郎設計のホテルオークラ東京のオーキッドルームへ。バイキング嫌いの私なのだが、娘は楽しいようだ。
ここのロビーラウンジの吹抜け空間のスケールの良さはいつ来ても感動する。

午後は住宅の打合せ。
室内に作るゴルフのプレイルームのため、施主とともにビックサイトで開催中のゴルフフェアへ。


かつてサラリーマンだった頃は私もゴルフをしたが、今は全くやらない。
私は球技のセンスが全くないのだ。
父が不動産会社の雇われ経営者だったこともあって系列のゴルフ場でプレイすることが時々あった。
しかし、支配人が見守る中、1番のティーショットでずっこけるのが毎度のことだった。

それでもプレイヤーの気持ちになってどういう環境でプレイしたら気持ち良いかは考えられる。

その後、JAXSONのショールームへ。ジャクージ浴槽の確認と打合せ。

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「MOTアニュアル2010:装飾」展

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東京都現代美術館にて開催中の「MOTアニュアル2010:装飾」展へ。

20100220-1.jpg一昨年21_21で知り合った金沢の山本基さんからいつも丁重な展覧会の案内状が届く。
大量の塩で立体や文様を作る彼の作品は、完成から少しずつ朽ちてゆくことで時の移ろいとかはかなさとかを表現しているようで、とてもノスタルジックな味わいに満ちている。

2月6日に私は金沢に出かけたが、実はこの日私とは入れ違いで、彼はこのインスタレーション制作のために東京都現代美術館で制作に入っていたのだ。
そんな連絡をメールで取り合っていたので早速、娘と見に行くことにした。

装飾というテーマを与えられて10名の作家が戸惑いを覚えながらもそれぞれの態度を有機的で自然発生的な原理の中に身を置いて表現している点が昨日のせシル バルモンドといい、一昨日のヨーガン レールといい、共通する時代の空気があると感じた。

山本作品。透明な塩が何故白いのか?
RGB色が均等に混じり合い、陰も宿すその白さは、ベタの白とは全然違う穏やかな色だ。
ただの白と見えたその色は実は様々な色の乱舞する色相なのだ。

午後は錦糸町の墨田トリフォニーホールで新日本フィルハーモニー交響楽団の演奏会。
指揮は井上道義さん。ムジカーザのオーナーである黒田さんのご主人だ。
曲目はヴァイオリンの郷古廉さんによるラロの「スペイン交響曲」とパイプオルガンの小林英之さんによるサン=サーンスの「交響曲第3番ハ短調オルガン付き」。

一緒にムジカーザでフラメンコを見た友人から郷古廉(ごうこすなお)さんのヴァイオリンは絶対おすすめ!と太鼓判を押されて、急遽当日券で見に行くことにしたのだ。
郷古廉さんは1993年12月宮城県多賀城市生まれ、16歳。
本当に素晴らしかった。

「エレメント 構造デザイナー セシル・バルモンドの世界」展

夕方、秋葉原のヤマギワのショールーム、リビナへ。
現在設計中の住宅で採用予定のLEDスポットライトをチェックする。
他にマンションプロジェクトのインテリアで提案中のMOROSOのチェアのテクステュアを確認する。

20100219-1.jpg今日見たLED、めちゃくちゃ凄い。
今までは正直言ってLEDは出来れば使いたくなかった。演色性が悪いからだ。
しかし、今日見たXICATO社製ユニットは凄い。
CRI(演色評価指数=一般シリカ球を100とした時の演色性を表す数値)が何と95の高演色タイプで3000Kと4000Kの2種類が用意されている。
またこのランプ、消えている時は花粉を思わせるような可愛らしい黄色い膜に覆われている。そんなところもとても新鮮。

その後、東京オペラシティアートギャラリーにて開催中の「エレメント 構造デザイナー セシル・バルモンドの世界」展へ。

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セシル・バルモンドは、建築の構造家だが、いわゆる構造屋さんとは全く違う。
エンジニアリングの枠を越えて建築家と創造的な協働を行うデザイナーだ。
さらに、自身を自然哲学者と定義する。

スリランカ生まれ、その後アフリカ、ヨーロッパで学んだバルモンドは、イギリスの総合エンジニアリング会社、アラップで世界の名だたる建築家とともにプロジェクトを手掛ける。
バルモンドの思考の原点は、回転しながら成長する植物や枝分かれする葉脈、あるいは燃えさかる炎のゆらめきや刻々と変化する陽の光など、自然がつくりだす美しく秩序ある構造にあるのだ。
そのイメージを最新のコンピュータ技術と施工技術を駆使して解いてゆく。

会場では素数や黄金比に基づくアルゴリズムを分析して形を生成する過程を示すスタディーとその成果が見て取れる仕掛けになっている。
なかでも、ギャラリー2に展示していた「H_edge」は、鎖とX型の薄いアルミ板という各々では自立し得ない物体が生物のように動き、増殖し、そしてまさに今、この瞬間に結晶化し静止したかのような立体構築物を形成していて圧巻。
遠目に見ると吊るしてあるかのような錯覚に陥るが、全てが空中に浮遊しながら、まぎれもなく堅固に自立しているのだ。

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