桑原聡建築研究所

Satoshi Kuwahara Architectural Studio

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2015年11月のアーカイブ

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2015年11月 [ 2 entry ]

高尾にて

20151119-1.jpg八王子の目白台という駅からさらにバスで10分程のところで鉄筋コンクリート造の住宅の改修を行なっている。
約5ヶ月の工期で躯体だけを残して後は完全にやり替えると言う大掛かりな工事である。
週に一度は現場にいくのであるが、同じ東京とはいえ、なかなかに遠隔地である。
朝行ったら帰りはもう日が傾いているということが良くある。
ちょっと前に高尾山に娘を連れていって来たが、その高尾山は目と鼻の先。
ならば、せっかく現場にいくなら朝早くに行って帰りに紅葉盛りの自然を少しだけ見ながら食事でもして帰ろうと、いくつかお店をピックアップして順次訪れてみることにした。

今日は自然の中という訳ではないが、一駅先の高尾にある、うなぎと釜飯のうまい店へ。
つい最近デイライトキッチンのオーナーに教えてもらったお店だ。
この辺り、平日のランチ時、どこもそうなのだがとにかく高齢者が多い。
僕が入店した時は、おばあさんと娘二人の3人連れ、脚の不自由な高齢女性一人、車椅子で来店した男女2人連れ、の計3組が料理の運ばれてくるのを待っていた。
僕はホタテの釜飯を注文。
20151119-2.jpg炊上るまでの20分、本を読みながら待っていると、周りの会話がいやでも聞こえてくる。
3人連れはおそらく最近おじいさんが施設に入ったのであろう。
しきりにおじいさんのボケの話をしている。
銀行にでも勤めていたのだろうか、昔は数字に強かったおじいさんがすっかり数字に弱くなって間違った主張をするので困っていると言う。
そうしたおじいさんに対して、頭にきたり、叱ったりする様子がリアルに話題にあがっていた。
お一人さんのおばあさんは40年前に息子さんを亡くし、息子さんと度々来店したこの店に今も時々来ていると語る。そして、家族から車を運転することを禁じられ、電車を乗り継いでくるのだが、いつまでここに来ることができるのかと嘆いている。
そして最後のお2人さん。
おばあさんは車椅子。
もう一人はお孫さんと見えた。
アイドル青年のようにやや長めの髪にウェーブをつくっているが、少しふっくらしており昔イケメン風である。
でも、かいがいしくおばあさんのお世話をしてここまできているとはと、感心して見ていた。
ところが最後の会計のときにわかったのだが、彼は介護スタッフなのである。
おばあさんが介護スタッフを伴って食事にきていた訳だ。
約5000円のランチ代はおばあさんのお財布から支払われ、楽しそうにお店を出て行った。
ギブアンドテイクの関係という訳だろう。

映画のワンシーンのように、静かに人生について語りかけてくる、穏やかな平日のランチだった。

Works更新のお知らせ(軽井沢の別荘U邸)

今年1月に竣工した軽井沢の別荘(U邸)のWorksをアップいたしました。
ぜひご覧ください。

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