桑原聡建築研究所

Satoshi Kuwahara Architectural Studio

  • 文字サイズ
  • 小
  • 中
  • 大

home

Column

2016年7月のアーカイブ

Column

2016年7月 [ 10 entry ]

白金台の集合住宅内覧会一日目

20160719.JPG先週土曜日、白金台の集合住宅の内覧会を行なった。
たくさんの友人、知人、仕事仲間、そしてクライアントの方々に足を運んで頂いた。
様々なご意見を頂戴できるのも本当にありがたいことだ。
こうした場は、僕自身の「今」を伝えるまたとない機会なので、最も大切にしていることなのだ。
今週末土曜日午後、二日目の内覧会を行ないますので、まだ足をお運び頂いていない方は是非ご来場ください。
お待ちしております。

日時
2016年7月23日(土) 13:00〜18:00
住所
港区白金台2-19-2
交通
東京メトロ南北線・都営三田線「白金台」駅 1 番出口徒歩7分
都営浅草線「高輪台」 駅 A2出口徒歩5分
JR・東京メトロ等「目黒」 駅 徒歩14分
当日連絡先
090-2305-7592(桑原) 
090-4076-2798(清水)

物件名
芝白金ホームズ
敷地面積 376.28m²
用途 長屋(3戸)、共同住宅(6戸)
構造 RC造
階数 地下1階、地上3階(屋上にペントハウス)
建築面積 254.34m²
延床面積 443.79m²
意匠設計 桑原聡建築研究所
構造設計 我伊野構造設計室
設備設計 YMO
施工 金澤建設株式会社
FFE 唯アソシエイツ

留意事項
車でお越しの場合は、近くの駐車場をご利用下さい。
スリッパ、手袋等ご用意をお願い致します。
お手洗いはお近くのコンビニ等をご利用ください。
引渡し前につき、傷・汚れには細心の注意をお願い致します。

立派な牛をいつか持ちたい!

「立派な牛をいつか持ちたい!」そんな夢を持って暮らしている人々がいる。
南西諸島の奄美群島に属する離島の1つ、面積約250平方キロメートル、周囲約80キロ、人口約27,000人の島、徳之島のシマンチュたちのことだ。

20160714.jpg

昨晩は、アクティブシニアのCCRC構想を前向きに検討している、徳之島伊仙町から来られた大久保明町長さんを交えての勉強会に参加した。
伊仙町は、120歳まで生きた泉重千代さんをはじめ、長寿の町として有名である。どうやら、この島だけに特有の多種多様な地質から生み出される植生環境が、ずば抜けて栄養成分が濃厚な野菜を育み、それらを摂取することによって長寿がもたらされているらしい。現在それを裏付ける研究が進められているそうだ。
今も町の人口6600人に対して100歳以上の高齢者の方々が27人もいらっしゃる。また、合計特殊出生率2.81人は全国一位に輝く。
闘牛に沸き、祭りだけでなく、出産祝い、入学祝い、成人祝い、そして冠婚葬祭もすべて町ぐるみ、集落ぐるみ、という、何をするにも熱い人々なのだ。

このとてつもなく面白い町をお題に、僕たちが知恵を絞ってまちの活性化の具体策を考えてみよう、というのが今回のテーマだ。少しいつもの仕事から離れて、人と人がつながる仕掛けや方法を考えてみる良いチャンスなのだ。
講師は八幡平でお世話になっている、三菱総合研究所の松田智生さんが努めている。

病院プロジェクト

現在、八幡平市で、回復期リハビリテーション病床100床、一般病床50床、計150床の病院建替え、改修プロジェクトに参画している。

回復期リハビリテーション病棟は、脳卒中などの脳血管障害や骨折などの手術後1〜2ヶ月の急性期を脱しても、まだ医学的・社会的・心理的なサポートが必要な患者に対して、多くの専門職種がチームを組んで集中的なリハビリテーションを実施し、心身ともに回復した状態で自宅や社会へ戻ることを目的とする。
その後自宅や社会にもどっても寝たきりにならないよう、起きる、食べる、歩く、トイレへ行く、お風呂に入るなどの「日常生活動作」ADL(activities of daily living)への積極的な働きかけで改善を図り、家庭復帰を支援していくものである。
つまり、そこで展開される医療行為は、実はくらしへのサポートそのものである。

今から二年前、この病院建替え、改修プロジェクトの相談を院長から受けたときに、僕は病院機能については全くの素人だから、どなたか専門の設計事務所をご紹介すれば私の役目は終わりだろうと考えた。
しかし、回復期リハビリテーションについて学ぶうちに僕のテーマも明確になったこと、また、オークフィールド八幡平が成功するためには最寄りの病院であるこの病院の整備が最重要課題であることを考えると、僕の立ち位置が明確になってきた。なんとしてもこの病院建替え、改修プロジェクトを「隅々まで細やかな目が行き渡ったもの」にしなければならない。
また、その後、膝関節を骨折した娘の一月半にわたる入院介助とその後のリハビリテーションのサポートを経験し、また、一方では高齢者住宅を設計するにあたり、介護・介助について詰めて考えていたこともあって、僕の中では、患者の生き甲斐、達成感、やる気、恐怖心、などなど、医療空間、病床空間、リハビリテーション空間に関わる様々なテーマとアイディアが自然に湧き起こってきた。

現在進行中の病院建替え、改修プロジェクトでは、主に患者が過ごす空間のデザイン、動線、設備、照明など、患者の生活環境を整理し再構築する提案を僕が受け持っている。これまでどちらかと言うと効率重視の傾向が強かった病院建築のなかで、実はまだまだ声が小さい部分だったのではなかろうか。
ナイチンゲールが看護の立場から病棟をレイアウトしたことは知られているが、まさにその原点を今ここで患者の目線から考えたいというのが私の思いだ。
フィンランド、ヘルシンキから西へ約150㎞のトゥルク近郊の森の中に佇む結核病棟、パイミオ・サナトリウム(1933年完成)も、建築家アルヴァ・アアルトが、自分自身の入院経験を基に設計したと言われている。

僕も何度か入院経験があるが、何の工夫もない天井に、配管の水漏れか何かのシミがあって、夜中に目が覚めて見つめていると何かの顔かたちに見えてきたり、向かいのベッドのおじさんが元気ならまだ良いけれど、具合が悪くなったときなど目が合っただけで自分もついつい引き込まれてしまいそうな気分になることもある。かといってカーテンを閉めっぱなしというのは僕には閉鎖的すぎて耐えられない。食事はベッドで食べるなんてもってのほかで、少しでも動けるようになったらテーブルと椅子を使って食べたい。本当は一刻も早く病棟を離れて普通のレストランで食べたいけれど。病室にいるときくらい読書がはかどる時間はない。頼むからそのテレビを消してくれ。下着の色みたいなその地味で無難な色使いは僕にとっては気力を削ぐものにしか見えない。それでも、にこやかに接してくれる看護士さんは本当に天使だあ。と、まあ、これはあくまでも個人的な感想である。

20160708-101.jpg20160708-102.jpg20160708-103.jpg今回僕が提案した4床病室は、従来の中心振り分けのベッド配置と、対面するベッド配置を避けた風車型ベッド配置の両方を組み合わせられるように、すべての病室の内法寸法を統一し、同寸とした上でスイッチ、コンセント類も2ウェイどちらでも対応できるように配慮している。
というのも、設計者は扱う規模が大きくなればなる程、柱芯寸法をきりの良い数字に丸めて面積を統一計算する悪い癖がついていて、特に下層階に駐車場が入っていたりするケースでしばしば起きる話なのだが、部屋内に巨大な柱型が出てきてしまったり、パイプシャフトが出てきてしまったりしてもお構いなしに内部をいじめてしまう。その結果、残念としか言いようのない、イレギュラーな設計が起こりうるのだ。最悪な場合、家具の扉が開かなくなってしまったり、開けようとすると通路の寸法が足りなくなってしまったり。特に病棟の設計では車椅子やベッドそのものを移動するので「納まりが悪い」という建築家のマニアックなこだわりを通り越して悲惨な結果も起こりうる。
逆に住宅設計の設計者からすると、かなり細かな内部寸法の調整をして無駄な出っ張りのない、「納まりの良い」、すっきりした空間を練り上げることが当たり前なのである。だから今回は、図面を受け取った施工者はこの通り芯寸法って?と、顔をしかめることになると思う。

今回こうして熟慮を重ねた結果、何度も図面を修正して作られた、風車型ベッド配置のプランでは、よりベッド空間の個別性が出てくるはずだ。さらに、ベッドが室内通路に対して横向きにできることで側方介助と車椅子への移乗がしやすくなるのもメリットの一つだ。

そして各室に取り付けられた手洗いの洗面台が、雄大な山岳風景を取り込む正面の大ピクチャーウィンドウのど真ん中に配置され、患者が毎度必要とする洗面手洗いの行為が「行なわなければならない」「頑張って行ないたくなる」空間として最高の場所に位置づけられている。

また、閉鎖的になりがちな廊下との間に開口を設けることで、廊下側のベッドにも適切なあかりの確保と、窓側ベッドと並ぶ選択のメリットを与えている。

各階の南面に設けた食堂には、一人で黙々と食事を摂ることもできるカウンター席を設け、そこからは、正面に仰ぐ雄大な山岳風景から元気を貰うことが出来る。気の合う仲間ができた患者や、家族が介助する患者は、大テーブルで食べることができる。患者それぞれの性格やニーズによって居場所を選択できるのだ。

今回も階段はいつもの15センチ×30センチ、お決まりの寸法だ。ワンフロア2回の踊り場休みがあり、屋上までの3フロア、実に楽に上ることができる。リハビリテーションに大いに活用して頂きたいスペースのひとつなのだ。

最後に色使いは元気が湧き出てくるような爽やかで奇麗な色をチョイスして行こうとしている。

ここまでお話してきておわかりの通り、自分でも即入居したい病院を作ること、それが今の僕のミッションと考えているのだ。ただし、その前に出来ることならお世話にならずにいつまでも健康でいたいですけれどね。

このプロジェクトは、昨年末、岩手県八幡平市に完成した「オークフィールド八幡平」から西へ約300メートル。今年3月に着工済。来年、2017年末にグランドオープン予定。
僕は佐藤総合計画と設計チームを組ませて頂いている。施工は戸田建設。
今年四月に行なわれた、素晴らしいキリスト教式起工式の様子も地元八幡平市役所の撮影により公開されている。
https://youtu.be/gBzqUTE_lKQ

今年も一年、楽しい仕事が出来ますように

僕の職業は建築家なのだけど、家具も作るし、あるときはインテリアコーディネーター、そしてまたあるときはデコレーター、はたまたたまにキュレーターにもなる。いまのところ住宅に限りの話だけど。
つまり、ひとさまのライフスタイルを丸ごと作る職業なのだと捉えている。

そのため、日頃からライフスタイル関連商品のリサーチを欠かさない。国内、海外問わず、レストランやショップでふと気になるものを見つけると裏返して刻印をチェック、初めて見るものであればすぐにググってブックマーク。日本での取り扱いを調べておく。すると案外知人の取り扱いだったことを知ることもある。
そして本当に気に入ったものは先ず自分で購入して使ってみる。
そうすると本当に永く使えるものなのか、ただ奇麗なだけのデザインなのかがよくわかる。しかし、ものは使いやすければ良いというものでもない。使いやすくするために取ってつけたようなデザインは一番嫌いだ。永く使えるということはデザインも使い勝手もすべて心地よいものなのだ。ただのディスプレイならそこまでしなくても良い訳だけど、僕はどうもそうした思い切りがない。使うものでも飾るものでも購入する以上はその存在理由が欲しいのだ。
だから、ただのディスプレイだとわかっていても、例えば本を購入するときなど見かけのボリューム感、表紙の格好よさ、そしてその中身の有益さをはかりに掛けて悩みに悩む。もちろんコストパフォーマンスも重要だ。たとえクライアントが中身を見ることがないとわかっていても。しかし、そうしていちいち悩んでいるのは無益なようにも見えるかもしれないし、スタッフからするといいかげんにしてくれ!といいたくなるところだと思うが、実はこれこそが僕にとってものすごく重要なリサーチなのだ。できれば一年365日悩んでいたいくらい幸せなリサーチの時間なのだ。

先日お客様のお宅に伺った際にトイレと洗面に設置したペーパータオルホルダーの具合が悪いと相談があった。ゴミがたくさん出るペーパータオル、実は自分では使わず、僕はハンドタオル派である。よって、こればかりは自分が日頃使っているものをお勧めすることが出来ない。それこそデザインはとても奇麗なのだが、よくよく見てみれば原理的に無理のあるデザインで、ペーパータオルホルダーの必要性能が満たされていないデザインのものだった。
卸元とも相談した結果、彼らとしてもこのように分析的なクレームであればと、対応して頂けることになった。この際だから僕もしばらくの間ペーパータオル派になってテストしてみることにしよう。

僕の職業は建築家である。しかし、実際にはそんなことを楽しんでいる。
あ、全然関係ないけれど、今日は七夕だ。
今日は早く帰って子供たちと一緒に願い事をしよう。
今年も一年、楽しい仕事が出来ますように。

20160707.jpg

内覧会のご案内 白金台の集合住宅(芝白金ホームズ)

空の青さに真夏の到来を感じる頃となりました。
皆様方におかれましては益々ご活躍のこととお慶び申し上げます。
さて、2013年夏、土地建物の相続の相談からスタートし、私どもの設計監理を経て実現した、 オーナー2戸、賃貸7戸の集合住宅が、この夏竣工致します。
引渡を前に、オーナーのご理解を頂き、内覧会を開催させて頂くこととなりました。
御多用中とは存じますが、お繰り合わせのうえ御参加くださいますよう、お誘い申し上げます。

日時
2016年7月16日(土)13:00~18:00 7月23日(土)13:00~18:00
住所
港区白金台2-19-2
交通
東京メトロ南北線・都営三田線「白金台」駅 1 番出口徒歩7分
都営浅草線「高輪台」 駅 A2出口徒歩5分
JR・東京メトロ等「目黒」 駅 徒歩14分

当日連絡先
090-2305-7592(桑原)
090-4076-2798(清水)

物件名 芝白金ホームズ
敷地面積 376.28m²
用途 長屋(3戸)、共同住宅(6戸)
構造 RC造
階数 地下1階、地上3階(屋上にペントハウス)
建築面積 254.34m²
延床面積 443.79m²
意匠設計 桑原聡建築研究所
構造設計 我伊野構造設計室
設備設計 YMO
施工 金澤建設株式会社
FFE 唯アソシエイツ

■留意事項
・車でお越しの場合は、近くの駐車場をご利用下さい。
・スリッパ、手袋等ご用意をお願い致します。
・お手洗いはお近くのコンビニ等をご利用ください。
・引渡し前につき、傷・汚れには細心の注意をお願い致します。

桑原聡建築研究所
〒150-0036渋谷区南平台町2-6-404
tel:03-5459-9643 fax:03-3463-1991
http://www.s-kuwahara.com

ルイスポールセン特別レクチャー

ルイスポールセン特別レクチャー 「フィンランド建築の100年 − アールヌーボーからアアルト、現代まで」

建築家アルヴァ・アアルト(1898-1975)の国、フィンランドからいらしたアアルト建築の研究家でもある建築家、マリアンナ・ヘイキンヘイモ氏が、ヘルシンキの建築の魅力を伝える会ということで、昨晩は六本木のルイスポールセンに寄り道してきた。

20160706.jpg

最近のヘルシンキは、西側に広がるヤトカサーリ地区を始めウォーターフロント地域の再開発ラッシュで、多くの人々が水辺に移り住めるように、もともと港湾地区だった場所を整備している。
さすがに森と湖の国フィンランドというくらい、水辺を巧みに活かしてきた人々だ。その水のあるくらしの楽しみ方を知っている。

また、暗い冬と白夜の夏の大きな対比のあるフィンランドでは、明と暗、それぞれのくらしの楽しみ方を身につけることが必須である。
しかし、それでも冬の暗さと孤独感から心を壊す人々も多い。
最近の建築事例として紹介されていた、カンピ静寂の礼拝堂(2012)
この礼拝堂は、ヘルシンキの中心街にあるショッピングセンター前の広場に、静寂との出会いの場として建てられた。
ここは、実は礼拝などの儀式を行う施設ではなく、人々が心を安らかにすることを手助けするような活動をしている場所なのだそうだ。訪れる人々の話し相手をするために、教会や市の福祉課のスタッフが常駐しているとのこと。

ほかにも、鉄道跡を利用した自転車、歩行者専用道路、バーナ(2012) というのもおもしろい。
もともとアクティブな国民性から移動交通の自転車への転換にはポジティブなのだ。現在、オフィスビルの駐車場は次々と自転車用の駐輪場に作り替えられているのだそうだ。駐輪場に生まれ変わった駐車場にはシャワー設備が設けられ、通勤で流した汗を洗い流すことができるのだ。
冬はどうするの?と思ったのだが、実はフィンランドでは自転車は夏だけの乗り物というわけではない。多くのヘルシンキ市民が、冬でもスパイクタイヤを取付けた自転車を乗り回している。

北欧と言えば社会福祉の国という印象もある。
僕が北欧を最後に巡ったのは十数年前だったかな?
福祉、医療に脚を突っ込み始めている今の僕としては、また行きたくなってきた。
今度は冬に自転車で巡ってみたいな。

Works更新のお知らせ(西東京の住宅改修)

今年2月に竣工した八王子の住宅改修のWorksをアップいたしました。
ぜひご覧ください。

Works更新のお知らせ(Louis Poulsen Japan Ltd. Office)

昨年8月に竣工したLouis Poulsen Japan Ltd. OfficeのWorksをアップいたしました。
ぜひご覧ください。

1 2 Next

Page Top