桑原聡建築研究所

Satoshi Kuwahara Architectural Studio

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「品格」について

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「品格」について

20161019.jpg東京オリンピックのボート競技会場を巡り盛んに議論がされています。
宮城県の村井知事が「復興五輪」にしたいと力強く発言しました。しかも整備費用は50億。なんと440億円の予算縮小提案です。

一方、埼玉県の上田知事は、彩湖に来てくれたら「それはそれでありがたい」と発言しました。「それはそれでありがたい」のかぁ。。。このなんともやる気のない発言に大きな温度差を感じてしまいました。

これだけを見ると宮城県に軍配が上がりそうですが、実はここにもトリックはあって、仮設など建設費以外でさらに2~300億かかるというのですからわけがわからなくなります。
そもそも当初は69億と発表されていた整備費です。

そして更に、東京の業者も必死に攻防し始めました。
「海の森競技場」の整備費490億がいきなり300億で再提案。それにしてもこれはどういったことなんでしょうか?だったら最初から知恵を絞ってもっと薄着にしておけばよかったじゃあないですか?
でも気をつけてください。あとからそれは見ていません、含まれていません、というのがよくある話です。

民間の投資であれば、利益とのバランスで投資総額を決定するプロセスは極めて合理的に開示されます。そしてプロジェクトに関わる全員がこのことを共有しています。
今回のようなやり取りはなにもここだけの話ではなく、これまでも延々と繰り返されてきたことだと勘ぐりたくなります。こんなやりとりを見ていると、いったい幾ら税金を使わせるつもりだったのでしょうか、と思わざるを得ません。
これでは品格もなにもあったものではありませんね。

僕の大好きな佐渡でも今、市庁舎の全面建て替え30億を巡り、真っ二つに意見が分かれているそうです。
ここでの議論は建て替えの可否を巡り真っ向から対立する議論です。
私なら今の庁舎で足りない面積と機能を補完する「部分増築及び既存改修」で予算を半分以下に圧縮し、さらに増築部分は今の鉄筋コンクリート製にカーテンウォールといった味気ないものではなく、コンパクトだけど軒が出の大きくローコストな木造平屋で佐渡らしい景観を提案します。また、そこを職員が業務の傍ら子供の見守りもできるように、人が常に溜まれる安定的な場所にして、これからを担う地域の人たちの利益のためになることを考えたいと思うのです。
また支所を統合して本庁舎に集約する議論もあるようですが、特に山脈によって沿岸部と内陸地域が分断されている佐渡の地形を考えると、小さくても災害拠点としての支所の役割は重要でしょう。

ここで私は、決して批判をしているのではなく、公共工事に関わる全ての人たちが、どうも感覚が麻痺しているとしか思えず、お願いですから品格ある事業センスを持って業務にあたって下さい、と切に望んでいるのです。

僕はよく予算が高いとお叱りを受けるのですが、それは建設費にFFE、さらに暮らしで必要になる備品も全て含めてトータルのバジェットを提示しているからです。
単純に費用だけで比べてみたら他に負けてしまいますが、どちらが正しいと思いますか?

東京オリンピックも佐渡も是非、品格のある賢い落とし所を見つけて欲しいものです。

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