桑原聡建築研究所

Satoshi Kuwahara Architectural Studio

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陰翳礼讃

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陰翳礼讃

東京の自宅を引っ越しして約2ヶ月経った。その間に八幡平の家も引っ越ししたので慌ただしく、東京の家を引っ越してもうそんなに経ったのかと思うくらいあっという間だった。
未だダンボールの山が残されていることは変わりない。
断捨離を実行するにはチマチマとやっていたのでは一向に埒があかない。僕にはまとまった時間が必要なようだ。
とはいえ未開封のダンボールの所有者はそのほとんどが浪人中の娘にあるわけだから急かすわけにもいかないというのが実態だ。

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引っ越してみて驚いたことがある。
これまでの暮らしでここ数十年間支払い続けてきた電気代がおおよそ3分の1になったことだ。
これは驚きである。
前の住宅は鉄筋コンクリート造の二階建て住宅で築年数約30年。断熱はとても怪しい。何よりも南向きの大開口があることと陸屋根(天井)の輻射が激しく、夏と冬はエアコンがフル稼働となる。しかも動力を使用していたので請求は電灯動力合わせて2本となる。
広さは今よりも25%増しなのに加えて巨大な吹き抜けがあるので負荷は大きいのは当たり前なのだが3倍の開きとなるとなかなかの金額だ。
今のマンションも築年数は同じようなもので断熱は極めて怪しいが、3階建ての1階であり、鬱蒼とした木々に囲われているために直達日射がないということで負荷の変動が少ないことが大きな要因だろう。引っ越して以来エアコンは24時間かけっぱなしなのだが結果は良好だ。
ついでにその前住んでいた港区のタワーマンションの時の履歴もチェックしてみた。
ここは中間階とはいえ角住戸のため外部環境の変動を受けやすい住宅だった。
面積が今よりも25%小さいにもかかわらず電気代はやはり今の3倍だった。家族数がこのころは4人だったこともあるかもしれないけれど、それにしてもその差は大きい。

夏の猛暑が年々酷くなっているのを横目に、陰翳礼讃の時代に突入したなという気がする。南向きよりも北向き。遮るもの一つない眺望よりも落葉の木々に囲まれた環境。ツライチの外観よりも大きな庇に彫りの深い陰影のある外観。建築のセオリー、価値観が大きく変わりだしている。

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