全館空調を行うとき、断熱と気密性能をひたすら追求する必要があります。そのためには現場の職方の理解と協力が欠かせません。いくら設計図書に書いてあっても現場の職方が外気の流れを理解してくれなければいけません。この程度ならまあいいかと目をつむりたくなる小さな隙間から空気や熱はだだ漏れになります。
職方といえば今回の目黒東が丘の住宅K邸はでは建築工事を担当するK工務店以外に幾つかの分離発注を行っています。
これはいつもの私のスタイルなのですが、ここは譲れないと考えるアイテムについてはそれぞれお付き合いのある職方が直接私の設計のために腕をふるってくれます。家具工事は今回相見積もりで参加したY工務店の家具製作チームによるものです。残念ながらY工務店は建築工事では契約に至りませんでしたが、以前お願いした工事での家具工事の腕を評価してのマッチングとなりました。普通は嫌がられるところですが、仕事を終えてみてまた次も一緒にチームでやりましょうとお互い申し合わせているようです。嬉しいことです。また、照明についてはほとんどの案件を一緒に取り組んでいる照明デザイナーN氏とN氏がかつて所属していた照明機材を取り扱うメーカーであるライティングシステム社に担当してもらいました。デザインだけでなくリーズナブルな部材調達も一気通貫でできるところがメリットです。造園は造園業者というより「庭師」であるF氏とF氏の奥様に担当してもらいました。彼らは以前、私の設計した湯河原の現場でお世話になり、敷地に埋まっている石を掘り出しそれらを積み直すことで見事な造園をたった二人で作り上げてしまう素晴らしいガッツと腕前を評価しての要請となりました。実にスペシャルなチームです。その代わりぶつかり合う時は物凄いです。。。。それでもさすがプロ同士です。感情が尾を引くことはありません。それは参加している皆がより良いものを追求していることを知っているからです。(続く)
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