桑原聡建築研究所

Satoshi Kuwahara Architectural Studio

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目黒東が丘の住宅K邸-9

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目黒東が丘の住宅K邸-9

もともと鬱蒼とした大木の繁る林だったこの目黒東が丘の住宅K邸の敷地には南側に向けて少し傾斜があります。入口からは斜面に沿って上り勾配になります。また、同族で所有していた広大な土地を分筆しているため、今回の土地は完全な旗竿敷地です。前面道路からはちょこっと立面が見えるだけでアプローチの造形が立面となります。そんなちょこっと見える立面に少しだけ工夫を施しました。それが基礎の一部をキャンチスラブにしたことです。アプローチ側から見た時に立面が地盤面から浮いて見えています。アプローチからは室内の階段と同じ寸法で作られた5段のRC階段を登り、庭師F氏の手による玄関に至る石畳のスロープを進むのですが、その時、正面に常に軽やかに建物が浮いて見えているところがチャームポイントです。ただそれだけのことなのですが、この建物のスリットから水や風といったここから流れ出るものの気配を感じていただけたら嬉しいです。
アプローチの先にある玄関扉は高さ1800を切る寸法で作っています。誰もがここで自然にお辞儀をします。ここも重要な部分です。玄関をくぐると天井高は一気に約7.5mに達します。ここからこの住宅のすべての要素が見渡せます。この住宅には廊下や単なる階段はありません。1階中央を東西を突き抜ける空間は玄関空間と一体の階段の一部だったり、さらにその先にシームレスにつながる洗面空間だったりします。緩やかな階段とアートがこの空間の一部となりながら二階へと視線を導きます。二階壁面に設置したレリーフがアイストップとなっています。階段を登りきった2階正面の正方形の開口はピクチャーウィンドーとなり、もともとこの敷地にあった枝垂れ梅の美しい枝ぶりが移植と剪定により絵のように再生されています。
12月27日に行われた内覧会と1月9日に行われた引き渡し会では朝から晩までここで時間を過ごしました。常に温度計を手に、床・壁・天井の温度を計測してまわりましたが、何処も20度から22度の範囲で見事にムラのない室内気候が実現できていました。しかも全く風を感じないところがなんとも穏やかな空間でした。二日とも晴天に恵まれたことから室内に差し込む太陽の光線が移ろい変化していく様を見ながら、たくさんの新たな発見をし、またお別れもしました。住宅は設計半分、これから始まる暮らしが半分。クライアントの暮らしが始まればクライアントの色に染まり、また、年を経るごとに徐々に変化していきます。そこがまた楽しみなのです。

それでは長くなりましたが今年もどうぞよろしくお願いいたします。

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