桑原聡建築研究所

Satoshi Kuwahara Architectural Studio

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アトリエ [ 30 entry ]

巣ごもりに思う

新型コロナ自粛の中、お世話になった方々から連絡をいただき気遣いの言葉を頂戴することがある。飲めない僕は自分から進んで飲み会を企画することはないし、人と常につるんでいないと落ち着かないという性分でもない。事務所には僕を含めて3名在籍しているが出勤時間は各自お任せ。僕は朝の渋滞を避けるために朝5時に起き6時過ぎに家を出て7時前に出社する。この早朝出社は、読書しながらの電車通勤も悪くないと感じていたある日、あまりにも乗らなくなった車のバッテリーが上がり、無残にもコンピューターシステムが誤作動して面倒なことになってしまったことから始めた習慣だ。今それが密を避ける行動として役立っている。事務所では日中のほとんどの時間、僕一人でワークしている。夕方から出社してくるスタッフとは1〜2時間だけ共に過ごし、僕は先に帰宅する。別に介護事業の仕事も持つ彼の席は3メートル離れた風下側の席。残る一人は慢性疾患を持っているので暗黙の了解として自宅で巣ごもり中だ。稼働中の現場や設計打ち合わせには公共交通機関は一切使わず自転車か車で向かう。だからむしろ家に帰ると大学が休校になって春休みから引き続き家に居続ける長女と小学校が休校になった次女が夕食を待っているから僕の中での最も三密な環境は自宅になるわけだ。誰か一人が不注意な行動をとることで三人揃って感染する可能性があることをお互い確認し合うことで予防策としている。だから先ほどのような問い合わせにも普段と全く変わることのない暮らしを送っていることを伝え安心していただく。

ところで僕の中での三密な環境は自宅だと言ったが、帰宅してから寝るまでの数時間は僕の一日で最も大切な時間だ。住まいで重要なのは滞在時間ではなくて滞在の密度だ。三密の密度のことではなくて暮らしに向き合う気持ちの大きさとでも言ったら良いだろうか。僕の場合、帰宅する途上、車に乗ってから家に帰るまでの間、次女の携帯と僕のiPhoneはハンズフリーでずっとつながっている。運転しながら今日のメニューを話し合い、炊飯器のセット、食材の下ごしらえ、今日のデザートやお茶の銘柄まで確認しそれを実行するのは次女の役割だ。そうすることで帰宅してからすぐに調理に取りかかり30分以内で食事タイムとなる。デザートまで含めても約1時間だ。天気がよければテラスで食べる。食後の後片付けと洗濯は長女の役割だ。何でもかんでも食洗機にぶち込んで多少洗い残しがあっても気にしない僕と違って彼女は実に細かな汚れもキレイに洗い上げるからだ。寝るまでの数時間、僕の家族は自分のためだけのことは一切しない。家族がお互いのために自分ができることをする。そんな家族の時間が日々そこにあったことに改めて気づかされたのは意外に新鮮だった。ほんの束の間の時間だがそれらは人生を豊かにしてくれる楽しみとなっている。世の中的にもいま、住宅を作るということにはこれまで以上に関心が高まっているはずだ。リモートワークがたいした準備もなく始まって自宅の不便さに気づいた人は多いと思う。また食事を作る機会が増えキッチンの使い勝手に不満を持った人も多いだろう。またパートナーとの暮らしに新たな心地よさを発見した人もいるだろうし、普段は日中不在だったはずの旦那がそこにいることでものすごいストレスを抱え込んでいる女性とそのことに全く気がつかない男性も多いかもしれない。

昨日の電話は昨年ご自宅にシアターを作って差し上げたクライアントからのものだった。いただいた電話では大変な感謝の様子。すべての劇場がクローズしている今、自宅に劇場以上のクオリティーで映像と音響を楽しめる場があることは贅沢ではあるけれど他の贅沢が一切できない今の時期にあっては何にも代えがたい魅力となった様子。一方、自宅の余っている部屋を何かに使えないかと相談を受け「ジムはどうでしょうか?」と、映像も音響も空調もパーフェクトに作り込んだジムを即答してお勧めしたクライアントさんからは、あの時すぐに提案を受け入れておけばよかった、、と後悔の電話。イタリア製のマシンは現在供給が間に合っておらず今から計画してもすぐには実現できない。

そんなこんなでどんなに過酷な状況、厳しい事態であれ家と家族を中心に物事を考えることは僕たちの人生に正しい答えを導いてくれる。決して会社や世の中のためなどではない。あくまでも身近にある家と家族のためだ。世の中経済活動が落ち込んでいるのだから短期的に売り上げが減るのはどの業界でもやむを得ない。それでも第二波、第三波、あるいは次のウィルスを見据えて様々な巣ごもりのアイディアや暮らし方の提案を発信しそれを基盤に仕事を続けていけるのは喜びである。
また、コミュニティーとか交流という概念がともすれば悪になり替わりそうな状況であるが、そうではない。家と家族のそのすぐ先にコミュニティーがある。自分と家族とその周りにある守るべき小さなコミュニティーだ。

今更のように巣ごもりという言葉が一人歩きしているようにも思えるが、これもまた今更の話ではない。僕たちが家で良い時間を過ごすことこそが本来の姿なのだ。家族があれば家族とともに。独り身であれば悠々自適に。愛玩のペットがあればペットとともに。そしてそんな今が自分たちの家と暮らしかたを見つめなおす最高のチャンスなのだ。

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仕事納め

20191228.jpegクリスマスが終わるまで全く手付かずだった年賀状。印刷から宛名書き約300枚すべてのコメント入れまで含めてこの2日の中の隙間時間でなんとか完了。奇跡だ。
そしてさらに昨日は急に思い立って事務所の大掃除も敢行。夕方から始めてみっちりと3時間、かなり物を減らし、なんとかきれいな状態で新年を迎えられそう。
今日は地元郵便局へ年賀状を出しに行き、その後事務所へ。やり残した自分の机の上の最後の片付け。これで事務所の2019年は全て終了。
明日は第九。そして明後日早朝から志賀高原へエスケープ。
雪不足が心配された今シーズンだが、今日は相当な勢いで降っている模様。
家のクリスマスツリーにはもう少し働いてもらいます。

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夏本番の土曜日に

最後のブログから5ヶ月が過ぎ、二人の娘は無事、高校生と小学生になりました。
この間忙しさを理由にコラムの更新をさぼっておりました。
気がつくともうすぐ夏休み。

今日は土曜日ですが小学校から帰宅した下の娘を伴って午後出勤です。
打ち合わせテーブルでは何やら工作を楽しんでいる模様。
テーブルにおいてある模型は来週のプレゼンで使う大切な模型だから気をつけてね。
まあそんなことを言わなくても私の娘だもの、よ〜く、わかっています。

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私はその間に遅れ気味な仕事上の指示を出すためのスタディーをしなければいけません。
今の私の事務所には設計業務を行なうスタッフ一名、家具など什器備品を扱う共同経営者一名、そして主に模型を作りに夜だけ来てくれている元スタッフ、それにメールで図面のやりとりをする外部協力者がいます。
それぞれに指示を出すのは私の役割なので、私の動きが止まることで、生産性はがくりと落ちてしまいます。
普段は夜中にチェックしたスタッフの図面や模型写真に対して自宅のパソコンで加筆修正してメールで指示を出すのですが、なんとここ1週間、自宅のパソコンがご機嫌斜めなのです。

今手がけているものは、住宅、集合住宅、テナントビルに加えて、高齢者集合住宅、リハビリ病院といった医療、福祉の分野も含まれています。
特に病院となるとその分野のスペシャリストが存在しますので、設計は専門の事務所に頭をとってもらい、その中で意匠デザインを主に分担して受け持っていくことにしています。
意匠デザインと言っても私の普段の仕事の仕方では意匠デザインのために構造、設備、電気の計画にも大きく影響を及ぼすことになるので、調整はなかなか大変な作業となります。
一方でそうした調整のために、ある一定の「逃げ」を設けておく、というのがこの業界の通例なのですが、私にはこの「逃げ」という言葉に未だになじめません。かつて先輩から、経験を積んだ設計者は「逃げ」がうまいのだぞ、などと大人ぶった言い方で説教されたことがある。けれども僕は極度の貧乏性なものでそんな勿体ないことはできません。
配管一本通すのにどこに置いたら一番内部への影響が少なくて済むか、合理的か、など検討しながら1センチ単位で調整しています。
だからいつも自らを苦しめ追い込むようなことをわざわざしているのです。
やっとできた完璧と思われた設計図書が一瞬にして施工不能に陥ったり、法的に抵触したりすることもあります。
そんな時はまたふりだしに戻って一からやり直します。
スタッフを含め、巻き込まれた関係者は大変だと思います。
しかしこうしてきめ細やかに造られた建物には必ず喜んでくださる利用者の方々がいらっしゃる筈です。このことを思うとやはり大切なことだと信じて疑いません。

だから協働事務所がお休みの今日も事務所でせっせとスタディーをしております。

Google map の旅

イラクの都市、サーマッラー(سامراء Sāmarrāʾ)。
チグリス川に面した、メソポタミア文明の都市だ。
2007年に「サーマッラーの考古学都市」としてユネスコの世界遺産に登録されたが、同時に危機遺産登録もされている。
特にここに現存する「マルウィヤ・ミナレット」は圧巻だ。

仕事に追いつめられる年末は、朝から晩までひと呼吸も外の空気を吸うこと無く事務所に缶詰となる。
設計以外にも会計の処理やら年賀状やらの事務仕事も多い。

そんなときのおやつの一息は世界旅行だ。
今日はイスラム建築の本を手にとりひと通り眺める。
その中で一番印象的な建物をGoogle mapで住所と名称を手がかりに探す。
空中から見た平面形状が理解出来ていればこれでほぼほぼ見つけられるのだ。

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あった、あった。
危機遺産登録ということもあってマップ上に早く観に行かなければならないマークを入れる。
しかし、いつになったらいけるのだろう。
平和を祈って仕事に戻る。

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忘年会

通常はカレンダー通りの我が事務所にしては少し早いが、今日を一旦仕事納めにした。
明日から帰省したいと申し出たスタッフに合わせて、忙しかった今年の締めは少しゆるくした。
今年はスキーの計画をしていない僕はズルズルと電話のない平和な事務所で過ごすことになりそうだ。
まだ年賀状も書いていないのでちょうど良い。
今年やり残したことなど考えながら備忘録とにらめっこしてみよう。
さて、男ばかり五人所帯の今年、忘年会はガッツリ焼き肉で。
お開きで外に出て夜空を見上げると今日も満天の星空。
冬の大三角形、オリオン座、東京でも案外きれいに良く見えるのだ。

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相手のペース、自分のペース

昨日から妻が高熱を出して調子が悪い。
午前中のミーティングをキャンセルして朝一番で病院に連れて行き、家に送り届けた後、下の娘を連れて午後1時からの打合せのために出勤。
今日は保育室の予約のない日だからだ。
おなかが減るととたんにぐずり出す娘のために「東急のれん街」で調達したお弁当。
打ち合わせをしながら彼女に与える。
20111031.jpg事務所には彼女専用のデスクがあり、色紙、色鉛筆、クレヨン、、、と遊びの材料はいくらでもあるから、放っておいても調子良ければ一人で楽しそうに遊んでいる。
途中「下」のお世話で中座したけれども3時間半の打合せを何とか乗り切った。
その後今度は不動産関連の契約だ。
今度は疲れ果てて眠っている間に終了。
再び事務所に戻って朝一でキャンセルした所内ミーティング。
スタッフの間を歩き回ってはしゃいでいるけれどもこれは許そう。

自分のペースだけ考えていたら何もできない。
だけど、相手のペースと自分のペースを上手いことあわせながら進めればそれほど難しいことはない。
子育ても人生も組織もみな同じだな、、、と思う。

「コラボレーション」

昨年までは既婚者と女性と独身男性がちょうど良い比率で在籍していたのでバランスよく分担出来た。
しかし、現在の事務所スタッフは全員独身男子だ。
住宅の打合せでは当然ながら、料理のこと、収納のこと、お掃除のこと、などなど、女性目線での打合せが多くなる。
お客様の求めていることが実際に理解出来ないと本当のところどうしてよいか分からなくなるはずだ。
ある住宅の担当者が現場のフォローで忙しくて細かな部分まで気が回らない恐れがあったので後輩のインテリアコーディネーターに協力してもらうことにした。

さらに今は3月。
年度末はいつも忙しいのだが、今年は特に。
忙しいとついつい焦る。
それでもできることは限られているから優先順位を付けながらとにかくやり遂げるしかない。
不思議なものでこれまでもそんなことを何遍も繰り返しをしてきた訳だが、何とかなってきていたし、うまく行ったことの方が多い。
しかし、そういう時、不安に駆られた僕は回りに電話したり話を聞いてもらったり、と、やたらと動き回る。
でも本当のところ、逆に不安がないときの方が怖いのだ。
順調に見えてそこには思わぬ落とし穴があるからだ。

そんな私にとってかつての職場の同僚たちは強い味方だ。
さっそく現在直面している状況について意見を聞く。
すると考えてもみなかったアドバイスをもらう。
そしてそこからまた意外なネットワークが生まれる。

通常の個人住宅であればひとりで完結する部分も多いが、特殊な案件や複雑な案件になるとひとりでは何も出来ないに等しい。
いつもではないがたまにこうした外部の強い見方とともに協力し合って仕事をするのもまた楽しいのだ。

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仕事納め

今日が仕事納め。
明日引っ越しの光が丘のリノベーションの現場の最終チェックに向かう。

夜、事務所の打ち上げ。
渋谷の居酒屋で。
スタッフ、アルバイト計6名でお疲れさま会。
私はその後、別の忘年会に顔を出したが、1時に近づいても全く終わる気配がないので先に帰ってきた。

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