桑原聡建築研究所

Satoshi Kuwahara Architectural Studio

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ひとりごと [ 121 entry ]

オレンジいろの粒子

今日はこれといった理由は無いが、朝5時に起きた。
しばらくすると、奇麗な朝焼けが。
東の空が赤く染まりだしてしばらく見つめていると一瞬、粒子が粗くなってオレンジのパウダーが、空と湾岸のビル群にふりかかったように見えた。
そんな瞬間、息をのむような光景。

20100915.jpg

山で見る「モルゲンロート」と呼ばれるオレンジ色に染色された光景も辺り一面にパウダーを振りかけたような、そんな「粒子感」がある。
山で早起きする価値のある瞬間だ。
自然と涙があふれてくるようなそんな光景なのだ。

そういえば「オラファー エリアソン」の一連の作品もそんな光の粒子感を見せてくれる。

別荘に求める姿

台風が去って涼しくなった軽井沢へ。
夕方からアポがあるので、それまでの間、工務店と別荘の打合せを行う。
見積のための打ち合せを行った後に電話で問い合わせのあったお客様との待ち合わせ場所へ。
万平ホテルで落ち合い、土地を見て回る。
いずれも初めて見る土地と風景ばかり。
今日見に行った土地の周辺には農地が広がり、素朴な高原の風景。
浅間山の眺望も抜群。

私が別荘に求める姿。
第一に「自然」これは言うまでもないが、「歴史」「文化」「芸術」そして「安全でみずみずしい食」
そんな可能性のある土地と風景を求めて回る。

土地と建築のブランディング。
建築によって土地の価値をどう高めたか?
その土地から何をどのくらい産み出せたか?
もともと不動産の世界で修行したこともあって、趣味や道楽の建築作りとは違う切り口で私はこれまで建築を作ってきた。
そんな態度を雑誌に掲載された私の住宅の記事から鋭く読み取ってくださったお客様からの問い合わせだったことがわかった。

ブランディングそのものには何も原価はかからないんだよ。
ただの暖簾代だよ。
その暖簾代が数億、数十億もの価値を生むんだよ。
という言葉にちょっと驚きながら、確かに!と思った。

20100910.jpg

気持ちのよい季節

20100909.jpg今日はぐっと涼しくなったのでデイライトキッチンのテラスでいただくランチは気分爽快。
そう思って油断していたらお世話になっている方に見つかってしまった。
一度入ってみようと思っていてたまたま来たらテラスに桑原さんがいてびっくり。

夕方からピアノレッスンを受ける娘を預かる日なので渋谷駅で待ち合わせをして一緒に表参道へ。
渋谷から表参道まで街並を眺めながらジグザグに歩く。
こうして新しく出来た建物やお店をチェックして歩くのだ。

こうして歩くのは娘も楽しいらしい。

私は表参道のカフェで再び仕事。娘は隣でケーキを頬張った。

アイディアをかたちにする「場所」

20100831.JPG午前中は東中野の現場定例。
午後は軽井沢の別荘の設備打合せ。
ランチを久しぶりのデイライトキッチンで。
プランターに囲われたテラスでゆっくり食後のコーヒーを飲みながらスケッチをする。
風に吹かれながらアイディアをかたちにするのは心地よい。

じつは僕にはもうひとつアイディアをかたちにする場所がある。
それが、デイライトキッチンのトイレの中。
このお店で食事をするとヘルシーな食事のせいか必ず食後に寄り道したくなる。
僕の体はそんな自然なリズムになってしまっているらしい。

ここでもう一枚、僕のスケッチブックのページは増えることになるのだ。
お店の皆さん、僕がなかなかトイレから出てこなくても心配しないで下さい。
アイディアを「絞り出して」いる筈ですから。。。

脳天気な私の悩み

今日は他の案件で手一杯のスタッフにかわって久しぶりに木造の軸組など描いた。
久しぶりにスタディーの歓びを心から味わった。
頭に描いたことがシャシャっと線に置き換えられてゆくのは快感なのだ。
しかし我がスタッフたちはこのようなことに歓びを感じているのだろうか?
楽しい部分をスタッフから取り上げて私が味わってしまったのだから。。。

かつて私とアシスタントのスタッフの二人三脚が長かった。
だから当然私が全ての案件を担当し、隅々まで考えを巡らした。
現在6人所帯なのでなかなか全案件に隅々まで関わることはできない。
自分流に表現することはできても全てを掌握することはできないのだ。
しかし、それでも私の事務所はあくまでも私の名前の付いた事務所だから、スタッフは基本的に指示待ちになることが多い。
それだからか、以前の二人三脚のときと比べて効率が落ちた気がしてならない。
かつてと現在と比べておそらく年間の案件数はさほどかわらないのだ。
おそらく私の判断の遅れが(というか報告のさせ方が下手なんだ)無駄な作業をうんだり、よけいな作業を背負い込んでいるのを発見するのが遅れがちになっているのであろう。
そんなやり方にやや疑問符を感じる今日この頃だ。

ほとんど悩みがない脳天気でストレスフリーな私だが、少しだけ悩みがあることを打ちあけておこう。

20100830.jpg

えぇ〜っ、指示ミス発生!

僕の仕事はいつも大体同じ顔ぶれのチームになることが多い。
構造設計、設備設計、施工業者、その下のサブコンさん、まず一回きりのおつきあいになることは少ない。
だから、何か明らかにおかしいと思ったことはすぐに質問が帰ってくる。
「これって違いますよねえ〜」とか、「こうはしたくないはずですよねえ」とか。
意外と私が「今回は仕方ないかなあ〜」なんて諦めかけていると、先に彼らの方からいってくれちゃったりする。
私は常に助けられているのだ。
本当に恵まれていると思う。
もちろんこうした優秀な人たちと一緒に仕事をするにはコストも少々余計にかかる訳で、そうした負担を背負って頂いているクライアントには最も助けられているとも思う。
もちろん、その反対にクライアントにとってもその方が永い目で見ていいことに違いない。

今日、竣工目前の現場で品番の伝達ミスから間違った材料が納入されて、既に施工もされてしまったことが判明した。
この現場は施主も施工者も関係する全ての人々が一緒に仕事をするのが始めての関係。
しかもこの現場での私の立場は設計者ではなく、デザイン監修者だから、今回はもう手遅れだ。

間違った品番が書かれた図面がかつて存在した。
その間違いに気がついたスタッフが品番表を修正した。
現物サンプルも見せて本人は確認したつもりだった。
しかし、現場の担当はサンプルを見た印象は無く、図面に残されていた間違った品番のとおり手配してしまった。

20100825.jpgコミュニケーションのすれ違いから来る単純ミスだ。
メールや奇麗に清書された書面では伝わらないことが多い。
大事なのは「間違っているから気をつけて下さい」と、印象づけることだ。
方法はどうでも良い。要は伝わったかどうかなのだ。

私は家族からもよく「しつこい」といわれる。
同じことを何度も言うからだ。
歳のせいもあるかもしれないが、何度も言うことで自分に言い聞かせているのだ。

環境を破壊する?破壊された環境を修復する?

今朝駅に向かって歩いていたら前を歩いていた私と同年代くらいのサラリーマンがくわえていた煙草をポイッと路上に投げ捨てた。
一昔前ならごくごくありふれた光景だったが、今日私はとても驚いた。
おそらく私が彼を見る目はまるで犯罪者を非難するかのような目だったかと思う。

もっと古い話をすると唾や痰を路上に吐き捨てるのもごくごくありふれた光景だった。
駅には痰壷というホーロー製の容器が備え付けられていてそこに向かって「か〜あ、ぺっ!」と音をたてて吐き捨てるのだ。
おぞましい。
今考えるとこれを掃除する人はどんな気持ちだったろう。
それでも痰壷に吐く人はお行儀の良い人。
たいていのおっさん達は公共空間であれば路上だろうと室内だろうと関係なく床にぺっ!とやっていた。

いずれにしても私には全く縁のない話だが、しかし、当時の人々にとっては普通のことだった。
混み合う電車の中で平気で煙草が吸えた時代。
許されていたこと「だった」訳だ。

それはある日突然にやってくる訳ではないが、しかし、徐々にやってくる。
当然の権利がやがて反社会的行為に変化し社会からオミットされる。

今自分のしていることのどこかにそんな反社会性があったとしたら、、、
建築行為は環境を破壊する。確かにする。
でも破壊されかけたものを修復出来るのも建築行為だ。

自然保護、環境保護を観光政策の目玉商品にする時代。
しかし、一方で押し寄せる観光客らによって環境が破壊されてゆく。

連日ツイッターで入ってくる瀬戸内国際芸術祭の混雑情報。
開催から僅か3週間で10万人を突破したという。
そんな話を複雑な思いで聞いている。
しかも、私は今週末、瀬戸内を訪れる予定。

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オリジナリティとクリエーション

私のクライアントが私に期待するのは通常、オリジナリティとクリエーションだ。
しかし、中には求めない人も少数だが存在する。

しかしながら途中でそのことに気がついたとしても、私は一途に「きっといつか解ってくれるに違いない」と、性善説に立って頑にこだわり続ける。
するとクライアントや、クライアント側のご担当は当然しびれを切らす。
結果、やってもやってもすれ違う溝が大きくなるばかりで不幸の空気を広めるだけだ。

私の事務所も16年経ち、私自身も50になった。
本当はもっと大人になってそういう仕事とそうでない仕事をうまくバランスさせて事務所を運営する時期だとも思う。

諸先輩から「君はもう少し肩の力を抜いた方が良い作品になると思うのだが、、」と何遍も忠告された。
そんなことも思い出す。

わかっていてもいざとなると拘らざるを得ないのが私の性なのだ。
今日、あまりに煮詰まったので映画「ボローニャの夕暮れ」を妻と二人で見にいった。
すると、不思議。
もやもやしていたものが溶けてゆく感じですらすらとスケッチが進む。
これで、僕のクリエーションを楽しみにしてくれている明日のクライアントとの打合せはばっちりだ。

20100813.jpg

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