桑原聡建築研究所

Satoshi Kuwahara Architectural Studio

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教育 [ 11 entry ]

久しぶりの更新です。

久しぶりの更新です。
忙しさを理由にコラムの執筆をサボっておりました。
ところで、フェースブックのお友達は皆さんご存知かと思いますが改めて報告です。

この二学期から三学期にかけて私の下の娘(小学校三年生)が岩手県八幡平市の小学校に転校することになりました。
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生徒数1080人の東京都世田谷区のマンモス校から全校生徒48人の小さな山の学校への転校です。クラスメイトは2、3年複式学級で11名、3年生は6名です。住まいは私が設計した高齢者住宅、オークフィールド八幡平の一部屋です。
このオークフィールド八幡平にはたくさんのお父さん・お母さん・お爺さん・お婆さん、おまけに地域おこし協力隊の27歳のお兄さんまで揃って一つ屋根の下で暮らしています。実はこれは昔の大家族制の姿そのものなのです。それで私は時々東京に出稼ぎに行っていると言う具合になります。もちろんその間彼女は一人暮らしです。それでも前述の通り常に人と接していますので寂しさを感じている暇はないわけです。
そこで私は、「子育ての責任は親の責任だけど、見守るのは地域」という、大家族社会だった頃の日本のコミュニティーのありようを実践したいと思っています。長年培った大人たちの暮らしの知恵が子供を育て、子供との関わりから生きがいや喜びを得る、そんな社会の姿です。今後オークフィールドを拠点に地域連携で子供の教育環境を考える場を作れないかと模索しています。また冬の寒さ、厳しさから学ぶものもたくさんあると思います。
山の学校の夏休みは短く、8月18日の金曜日が始業式でした。短い夏が終わるとすぐに冬がやってきます。今は毎日畑仕事を楽しそうに手伝っている娘ですが、農閑期の冬こそ自分と向き合える良い機会がやってきます。教育は地域で暮らし続けるための最大のテーマです。地域で暮らし続けながら将来の夢を実現する。東京で暮らしていたら到底学べない、そんな「まなびかた改革」が実現出来たら最高です!
そして僕は今、都会の子供たちが移住したいと思えるような魅力ある地域づくりに向けてアイディアを練っていくことをライフワークにしたいと思っているところです。それには私一人では限界があります。ぜひご賛同いただける方はご協力ください。
また、自分の娘、息子もそんな暮らしにトライしてみたいのだけど、とお思われた方もいらしたらぜひお声掛けいただけると嬉しいです。
この秋、10月第二週末、14日、15日にはイベントも予定しています。詳細はまた追ってお知らせします。

「20年後の私の家」

「20年後の私の家」を課題のテーマに理科大2年生の住宅設計課題のエスキースを行なっている。
まずは自分の20年後のライフスタイルをテキストとしてまとめさせた。
ところがほとんどの学生が子供二人に夫婦を加えた4人家族でサラリーマン家庭。
平日は忙しくて休日は家でのんびりしたいという。
教師一同「夢がないなあ~」。。。
夢を与えられない僕ら世代にも問題アリなのか?
じゃあ、フィクションで良いのだから脚色演出しようではないか。
映画や小説を作るつもりでもう一度考え直して!と僕。。。

はたして僕たちの期待を越える作品が現れてくれるのか?
一方で「夢を見る」なんて昭和の人の台詞みたい!と云われているような気もしてきた。

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理科大最終課題講評会

昨年の4月から教えている理科大建築2年生の課題も今日の発表が最後。
今回の課題は集合住宅。
2〜3人のグループでまとめることとペーパーを使わないプレゼンテーションが条件とあって、かなりハードルの高い課題だ。
審査は長引き、10時を回る頃に発表が全て終了。
冷え込んだこの日、体調の優れなかった僕は学生達との打ち上げには参加せずに急いで帰ってきた。
一年間をふりかえってみると、基本である図面表現が苦手な学生が多い傾向を感じる。
地道な作業と時間を要する製図作業は、コンビニエントな傾向の今どきの学生達には今日的ではないのかもしれない。
このまま放っておくと本当に図面の描けない学生だらけになってしまいそうだ。
これは次年度への反省としよう。

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理科大後期第一課題講評会

理科大2年生の設計製図の授業。
年4回の課題提出のうち3回目の講評会を行った。
講評会の日は最初に2チーム分約40名分のプレゼンテーションを聞いて全員分の講評を行う。
これがほぼぶっ通しで約4時間続。
その後選抜で各チーム2~3人選抜して全6チーム10数名のさらに突っ込んだ公開講評会を約2時間行う。
この間ずっと頭をフル回転させ続けるので本当に体力を消耗する。
徹夜続きの学生たちはコックリコックリ居眠りしている者も多い。
僕も前日遅かったので、オレも寝て~よ!とおもいつつ、居眠りするわけにはいかない。
講評会が終わった後の学生たちとの恒例の懇親会。
こちらは翌日に備えて中座し、終電で帰って来た。

家に帰るとすぐに過去の講評会の写真をひととおり眺めて見た。
そこには1回2回3回と回を追う毎に確実に成長している学生たちの姿があった。
昨日まで出来なかったことが今日突然出来るようになる我が娘と同じように学生たちの成長もきわめて早い。
子供がいつか父や母を乗り越えていくのと同じように、学生たちもいつか僕たちを乗り越えて行くのだ。

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「住宅課題賞」公開審査

東京建築士会が開催している建築系大学住宅課題優秀作品展と住宅課題賞。
これは、東京圏の建築系大学の設計製図授業で出した住宅課題での最優秀作品を各校1作品ずつ推薦し、それらを一同に集めた展示会。
さらに公開審査によりその中から優秀な作品に賞を与える。
私の教えている東京理科大学理工学部でも前期の第二課題で最優秀作品を一つ選定した。
そのときも最後まで接戦が続き、最後はじゃんけんぽん!なんて声も聞かれる中で決戦投票を行い、さらに学生の拍手の大きさで競い、私のチームの学生が出場権利を獲得した。
そんな訳で出るからには賞をとらねばならない。
公開審査へ向けての特別エスキスも度々行い、今日を迎えた。

私は下の娘を連れて応援に向かったが、公開審査には間に合わず、しかし、ひととおり作品を見終わったところで教え子と合流。
審査員賞を頂いたという結果報告に一安心。

我が娘は気合いの入った模型に興味津々。
人が食卓を囲む模型あり、楽しそうに階段を人が上り下りする模型あり、中には象や熊が敷地を歩き回る(動物園のなかの住宅)模型あり、、、そんな模型にときめきの歓声を上げながら見て回っていた。

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課外授業

理科大理工学部建築学科2年生の後期授業が始まって毎週木曜日に千葉県の野田校舎まで一時間半かけて通う日々が始まった。
この校舎は東武野田線の運河駅といって超ローカルなアドレスにある。
都心まで行くとなると往復2000円はかかる立地だから頻繁に都心で遊んでいる人は少ないだろう。
それに建築学科は常に課題に追われるから時間も限られる。

後期の第一課題で都心の敷地で家具のショールームを核とした複合施設を計画することになった。
都心のしかもブランド家具のショールームとなるとなかなか敷居が高い。
きっと僕がハリーウィンストンにふらりと入ることが出来ないように、学生ひとり、入るのは度胸が要るだろう。
しかし、実際に見ないで設計すれば百貨店の売り場のようになってしまうかもしれない。
また、家具を知るということは、実際に腰掛けてその掛け心地の違いに気付き、何故違うのかその構造の違いを知り、デザイナー(大半が建築家である)のビューポイントを共有する事なのだ。それには市場に出回っているコピー品では駄目で、オリジナルでの体験が必要不可決だ。

そんな訳で、妻からはボランティアと呼ばれて一笑されたが、先週日曜日、今日と2回に分けていま教えているチームの学生の中からリクエストのあった数名をつれてショールームをハシゴした。

もちろん、ただボランティアにならないように、先週は娘を連れての散歩のついで、今日は、案内はもらったけれど、まだ見ていなかったショールームを中心に行ってまいりました。

国立新美術館でポール・ケアホルムとアルネ・ヤコブセン。
リーン・ロゼでジャン・ヌーベル。
ルイスポールセンでポール・ヘニングセン
ハーマンミラーでチャールス・イームズとジョージ・ネルソン。
フレックスフォルムでアントニオ・チッテリオ。

表参道で解散した後向かったのは上の娘のピアノ発表会。
幼稚園の頃の発表会の様子を思い出してちょっと感動。

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家具講義

教えに行っている理科大理工学部建築科の後期授業が始まった。
夏休み中は楽させてもらったので、後期初回の授業では頑張って家具のレクチャーをすることにした。
設計課題が家具のパビリオンということで、そのためのヒントを語る。
最初は自分の好きな家具を並べて思いを語ろうと思っていたのだが、自分なりに整理してゆくうちにいつもの様に深みにはまった。
前日は台風上陸。
この日予定されていた大きな打合せがキャンセルとなった。
結局、まる一日かかって完成させた資料は削るのも惜しいくらい膨大に。
二十世紀の多くの建築家は自分が創り出す空間を表現するために、何故家具を作らなければならなかったのか、プロダクトとしての家具が確立した今、多くの建築家たちが興味の対象としての家具から距離をおいてしまったのはなぜか?
改めて考えてみると得るものが多い。
理工系の学校なので、家具までの思いを持った学生はまだ少ないだろう。
立ち会った院生や教員たちも、なるほど、と思ってくれたようだ。
人に教えることで自分が得るものも多い。

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学生達を「カミングアウト」させる

今日も午後は大学で住宅課題のエスキース。
学生だから、きっと頭が柔軟だろうと思って接していると意外にもコチコチの固定概念で直球を投げてこられる事が多いのにびっくりさせられる。
当の学生自身もオレってあたま堅いっすねえ、、、とかいいながら僕のアドバイスを聞きながら頭をかいている。
ここで気がついてくれる学生は良い。
しかし、それでもまだ、およそ学生の提案とは思えないような窮屈な現実主義もはびこっている。
おそらく近頃の学生は親の干渉がとっても強いのだろう。
僕の頃はほどほどに放任でも子は育つ、といわれていた。
きっと彼らが現実と向き合う時、そこにある視点は親が作り上げた理想の価値観と等価なのだ。
何故かたいていの親は、自分が実現出来なかったことを子供に実現させようとしたり、自分の欠点が子供に遺伝するのを避けようとしたりする。

受け持った学生をひとりでも多く「カミングアウト」させる。
彼らが彼らのまま伸び伸びと表現することが一番良い筈だ。
そんな気持ちで学生たちと接している。
自分も子供と向き合いながらそうした落とし穴にはまらないように接していきたいと思うからだ。

学校から帰ったら既に子供達は寝ていた。
特に何もしなかった七夕の夜。

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