桑原聡建築研究所

Satoshi Kuwahara Architectural Studio

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日々のこと [ 67 entry ]

モロッコ−1

さて、またまた急に思い立って、お正月の元旦から12日まで北アフリカのモロッコを巡ってきました。

我が家ではお正月は志賀高原スキー場でむかえるというのがここ数年の決まり事です。
しかし、今年は様子がいつもと異なっていました。
お子さんをお持ちの旅好きなご家庭ならどこもそうだと思いますが、私のうちでも中三の娘の休み方によって休暇のあり方を合せていくことになります。
その娘がいつもなら正月明けに参加する筈の中学校のスキー学校にはもう参加しないと突然言い出したのです。
じゃあ、志賀高原でゆったりスキーをしようか。
と、いつもの常宿に2週間の予約を入れました。
しかし、2週間あったら世界中どこにでもいけます。
そのときはスキーのことで頭がいっぱいだったので後で冷静に考えてみると、前からいきたかったトルコ、もしくはモロッコはどうか?ということになりました。
早速チケットを検索。
なるほど、12月31日までは高いチケットが元旦にはガクッと安くなるではありませんか。
確かに元旦にあたふた出掛けることを嫌う人は多いと思います。
これなら年末にスキーにもいけるし旅行にも行ける。
だから、僅か一時間足らずでチケット手配完了。

冬場のトルコは結構寒いので東京よりは少しだけ暖かいモロッコに行き先を決めました。

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モロッコの都市はメディナとよばれる旧市街の迷路のような都市空間が特徴的です。
これは計画して作れるものではないだけに僕たちの心を捉えて放さないのです。
また土を築き上げるだけで構成される建築が群として集合する風景もこれまで観たことも無いランドスケープとしての魅力を放っています。

そんな旅の様子をアップしてまいります。

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新年

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ばたばたとしているうちにもう一月もあと僅か。
たいへん遅くなりましたが、

あけましておめでとうございます。

今年はちょっと忙しい年になりそうです。
いま、港区内でかわいらしい規模の集合住宅を一棟設計しています。
昨年中に計画していた岩手県での集合住宅計画は雪解けを待っていよいよ工事に入ります。
また、近隣の医療施設の新築及び改修の計画にも参加していて、現在は計画前の構造調査を行っています。
改修では築40年以上になるコンクリート住宅の内外装にわたる改修を手がけています。
一方でしばらくさぼっていた家具デザインについても再開していきます。

今年も多くの方々に助けられながら、納得のいく仕事をするべく、背伸びせず、確実に進んでいきたいと思います。
どうぞよろしくお願い致します。

ページェント

毎年この時期になるとお世話になっている教会幼稚園のクリスマスページェントを観に行きます。
卒園を間近に控えた幼稚園の年長さんが皆で作り上げるキリスト降誕劇です。
教会行事として行うので、舞台は1917年(大正6年)9月に献堂式をおこなった礼拝堂です。
下の娘はそのまま通い続けていれば今年が出番となる年です。
だから、今日は入園時のお友達に久しぶりに合える日なのです。
僕が毎年、目をうるうるさせてしまうのは、9年前、長女がマリアを演じたときのことを思い出してしまうからです。

これが終わるとあっという間に本当のクリスマスがやってきます。

今日は家に帰ると上の娘が友達10人集まって家でクリスマスパーティをしています。
青春真っ盛りといった感じです。
僕と下の娘には帰っても居場所はありません。

子供たちは楽しんでいますが、僕はかなり焦ります。
ああ早く仕事をおさめておかないと。

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Google map の旅

イラクの都市、サーマッラー(سامراء Sāmarrāʾ)。
チグリス川に面した、メソポタミア文明の都市だ。
2007年に「サーマッラーの考古学都市」としてユネスコの世界遺産に登録されたが、同時に危機遺産登録もされている。
特にここに現存する「マルウィヤ・ミナレット」は圧巻だ。

仕事に追いつめられる年末は、朝から晩までひと呼吸も外の空気を吸うこと無く事務所に缶詰となる。
設計以外にも会計の処理やら年賀状やらの事務仕事も多い。

そんなときのおやつの一息は世界旅行だ。
今日はイスラム建築の本を手にとりひと通り眺める。
その中で一番印象的な建物をGoogle mapで住所と名称を手がかりに探す。
空中から見た平面形状が理解出来ていればこれでほぼほぼ見つけられるのだ。

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20141212-3.jpg20141212-4.jpg

あった、あった。
危機遺産登録ということもあってマップ上に早く観に行かなければならないマークを入れる。
しかし、いつになったらいけるのだろう。
平和を祈って仕事に戻る。

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星いくつ?

20141208.jpg料理の美味い、不味い、は嗜好の問題なので、人によってその評価は180度異なる。
だから、嗜好の似ているもの同士ならある程度似通った評価をくだすことが出来るだろうけど、ジェネラルにとなると、とても難がある。
最近はレストランやホテル、全てポイント評価が付いていて、これまでのミシュランのように編集人による選ばれたものの中だけの話ではなくなり、拡散的かつ統計的に全てが順序付けられ、点数化されてしまう、という、かんがえてみれば、とても恐ろしい世の中になったものだ。

そんなことを言いながら、ひねくれ者の自分もお気に入りのお店の点数を時々チェックしては、「点数が伸びないのは世の中に迎合していない証拠。素晴らしい!」などと、余計なことを考えたりしている。

これは日本語表現の問題なのかも知れないけれど、食べたことないもの、経験したことのないもの、に対するネガティヴな反応を時おり耳にする。
例えば、あるレストランで食事をしたが、あそこは不味かった、最悪だった、とか。本当にあの国には美味しいものが無い、など。

僕は、「他には無い、そこでしか食べられない味」に魅せられる。
しかし、こうした味は意外に評価が低いものだ。

僕は、子供たちに言い聞かせていることがある。
初めて食べるもの、初めて食べる味、に対していきなり「不味い」というな。
慣れていない、口に合わない、は、君の問題なのだから。

生理的に吐きたくなるようなものでなければ冒険心を持って慣れてみよう。口に合わせてみよう。

きっとそれをご馳走として食べている人たちの気持ちになれれば美味しく味わえる筈だ、と。

さて、僕も空間を作る料理人だ。僕の料理が口に合わないと考えるひとがいても仕方ない。でも、一回で拒絶するのではなく、2度3度と試してみてからでも良いのではないか?
その間に徐々に美味しいと思ってもらえたとしたら、それは設計者冥利に尽きる。

南イタリアの旅 最後に

旅の間に書いていた日記はこれが最後です。
ずいぶん時間が経ちましたが、最終回です。

今回は旅の雑感。

食事
イタリア人はとても良く食べます。
美味しいものばかりなのですが、僕たちにはポーションが多すぎます。
イタリアだけに限らず昔からこのことは僕たちの胃袋を悩ませてきました。
ちょっと前までは一皿を二人三人でシェアして食べるとお店からは嫌な顔をされることがありました。
しかし、今回の旅ではそのような事は全くありませんでした。
星つきホテルのダイニングでも僕たちは家族三人で前菜一品にセコンド一品、もしくはセコンド一品にメイン一品、あるいは前菜一品にメイン一品が基本でした。
ピザに至っては無理せずに一枚をシェアすればそれで充分でしたし、お店も嫌な顔ひとつせずに、とてもフレンドリーな対応をしてくれました。

信号機
今回南イタリアを千キロくらい運転しましたが、信号機はどれくらいあったでしょうか?
恐らく全部で十数カ所だったかと思います。
こちらにはロータリーという素晴らしいシステムがあります。
また特に都市部では混沌としていて、マナーが悪いと文句を言う旅行者の方も大勢いらっしゃるかと思います。ですが、実はここにはとても重要なルールがあります。
それは徹底した左側優先です。
ロータリーも徹底した左側優先が体に染み付いているから成り立つシステムなのです。
一昔前まで車のドアミラーは左側しか無かったくらいです。
右から車が飛び出してくる事が絶対にありません。
右側から追い越される事も絶対にありません。
そのかわり追い越し車線で後続を確認しないでのろのろ走っていると容赦なく後ろからあおられることになります。
残念ながら現代の日本ではひととひとの関わりに秩序が不足しているのでその代わりに信号機が林立しています。
こんな無駄は早くやめにしたいですね。
信号機一基作るのに何千万とかけているのですから。

と、思っていたら、日本でもロータリーを普及させようとする取り組みが始まっているのですね。
先日、旧軽井沢に新しくロータリーができていました。
しかし、回転する向きが逆になるので慣れるまで気持ち悪いですね。

余談ですけれど、アルフレックスのカーサミア河口湖というリゾート型のショールームがあるのですが、そこの設計はイタリア人なので、ロータリーは反時計回りです。ここで一周した後に気持ちよく一般道路に出て、その後、対向車がくるまで全く気づかずに右側を走り続けたことがあります。怖いですね。

車/燃費
イタリアはガソリンがとても高いです。
リッターあたり1.80ユーロ前後でした。
日本円にすると250円以上になります。
僕たちの使ったフィアット500のメーターにはお勧めシフトチェンジサイン表示がついていました。
このガソリン価格ですからエコ運転が奨励されているのも頷けます。
こんなことでエコ運転しているイタリア人は不在だと思いますが。。。

車/駐車事情
地中に歴史遺産がまだまだ多く眠っているイタリアでは地下駐車場建設はできません。
だから車は路上の指定場所に停めることになります。
車長プラス50センチ程度の縦列駐車が基本ですので、このこと、つまり、前後の車が出られる寸法間隔を予測して停めないと後でバンパーがへこまされてもそれは自己責任です。
逆にこちらが選んだ駐車場所が狭すぎて前後の車両に傷をつけたならばそれは選んだこちらの責任なのです。
そんな具合ですから実はここ数年で革新的にパワーステアリングが進化していました。
僕たちの使ったフィアット500は気味が悪いくらいハンドルがくるくる回りました。

車/グーグル地図
今回初めてiPhoneのモバイルデータ通信でグーグルによる道案内を使いました。
これは完璧です。
日本語で「ロータリー◯番目の出口を右に進んで下さい」などと、どんな田舎の小さなロータリーも見逃すことはありません。
旧市街の複雑な一方通行の迂回も完璧です。
よく以前は同じ所をぐるぐる回り、何度やっても目的地にたどり着けない焦りを感じたものですが、もうそんなことが嘘のようです。

20010925Sicilia-25.jpegさて、次のディスティネーションは既に決まりました。
シチリア、再び、です。
以前、ナポリからパレルモに船で渡ったことがあります。
当時1歳半だった長女と今は亡き妻とともに訪れました。
長女は行く先々で大歓迎を受けました。

そこで次回は、まだ訪れていない、シチリア南東部とマルタをさまよってみたいと思っています。

旅行の話は備忘録にもなるので、僕もついつい力が入ります。
長きにわたり、おつきあいいただき、ありがとうございました。

続 超高齢化社会の新基軸

20141112-1.JPG20141112-2.JPG先日、超高齢化社会の新基軸と題してコラムを書いたけれど、実は、僕も50代半ばにはいって、運動不足なのか、加齢による運動能力の低下なのか、あるいはまたそれらの複合なのか、特に現場で「歳」を自覚させられるようになってきました。

工事現場でひょいっと飛び越えようとしたら根伐りの土手の縁でズリズリっと脚を滑らしそうに。。。
配筋をまたごうと脚を上げたところが、イメージしたより脚が充分に上がっておらず差し筋に引っかかり、おっとっと、と。。。
などなど。
少し前までは笑い話のネタのようだったのですが、最近は本人としては悔しいけどけっこ深刻です。
現場でこんなことしていたら本当に危険だからです。

まだ僕の現場は低い建物が多いから、ビルの上から真っ逆さまなんて心配は無いのですが、それでも用心するにこしたことはありません。

ある程度の現場なら来客用のヘルメットが用意されていたり、大きなところになると安全靴が用意されていたりもするけれども、小さな現場となるとそれらは何もありません。
だから、自分のことは自分で守ることになります。
一方で、なにごとも無理をしない、と自分に言い聞かせる必要もあります。

今日は軽井沢で木造軸組が終わり、内装工事に入った別荘現場のチェックをしてきました。
この現場の大工さんたちは皆さん僕よりずっと年上のベテランばかりです。
皆さん本当にタフです。

『ハッピー・リトル・アイランド 』

20141108.jpgドキュメンタリー映画『ハッピー・リトル・アイランド ―長寿で豊かな ギリシャの島で―』を観た。


ギリシャの離島、イカリア島。
この島の住人は世界のどこよりも長生きで幸せと言われ、「死ぬことを忘れた人々が住む島」として世界的に有名なのだそうだ。


80歳のおじいちゃんが「仕事で体は疲れるが、心は疲れない。好きな仕事だからね。」と語り、

94歳のおばあちゃんが「人生を楽しめないなら死んだ方がましよ」と語る。

このイカリア島の長寿の秘密について、アテネ大学主催の医学会議での発表によると、

・食卓:特に魚介類、果物、野菜、豆類、そしてお茶

・昼寝の習慣
・歩行から農作業に至る日常的な運動
・家族の絆
・少ないストレス
・良好な交友関係
・頻繁な近所付き合いと地元の催事への参加
・高い教育レベル
なのだそうだ。

しかし、一方では、いまギリシャは深刻な金融危機。
失業率が30%に迫り、特に若年層では60%近いという状況だ。
荒廃した首都アテネに見切りを付けて、地方へ、世界へと散っていったものたち同様、この島にIターンでやって来た若者たちもそれぞれ苦労している。
そんな彼らも、一人で全てをやろうとすると壁にぶち当たってしまうのだけど、「助け合い」その結果として「分け合う」ことを学び、未来が開けていく。
そうなると、この島自体がある種のコミューン(自治的共同体)として活きているから、とたんに日々の暮らしが楽しく豊かになる。

日本にもこうした場所がまだまだたくさんあると思う。
僕もできるだけ近い将来、東京を抜け出したい。
しかし、こうしてランチのついでにふらっと映画を観にいける生活もとても捨てがたいのだ。

そしてまた、今、取り組んでいるいくつかの共同住宅のあり方と重ねて頷きながら観てしまいました。

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