桑原聡建築研究所

Satoshi Kuwahara Architectural Studio

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インテリア [ 27 entry ]

今年も一年、楽しい仕事が出来ますように

僕の職業は建築家なのだけど、家具も作るし、あるときはインテリアコーディネーター、そしてまたあるときはデコレーター、はたまたたまにキュレーターにもなる。いまのところ住宅に限りの話だけど。
つまり、ひとさまのライフスタイルを丸ごと作る職業なのだと捉えている。

そのため、日頃からライフスタイル関連商品のリサーチを欠かさない。国内、海外問わず、レストランやショップでふと気になるものを見つけると裏返して刻印をチェック、初めて見るものであればすぐにググってブックマーク。日本での取り扱いを調べておく。すると案外知人の取り扱いだったことを知ることもある。
そして本当に気に入ったものは先ず自分で購入して使ってみる。
そうすると本当に永く使えるものなのか、ただ奇麗なだけのデザインなのかがよくわかる。しかし、ものは使いやすければ良いというものでもない。使いやすくするために取ってつけたようなデザインは一番嫌いだ。永く使えるということはデザインも使い勝手もすべて心地よいものなのだ。ただのディスプレイならそこまでしなくても良い訳だけど、僕はどうもそうした思い切りがない。使うものでも飾るものでも購入する以上はその存在理由が欲しいのだ。
だから、ただのディスプレイだとわかっていても、例えば本を購入するときなど見かけのボリューム感、表紙の格好よさ、そしてその中身の有益さをはかりに掛けて悩みに悩む。もちろんコストパフォーマンスも重要だ。たとえクライアントが中身を見ることがないとわかっていても。しかし、そうしていちいち悩んでいるのは無益なようにも見えるかもしれないし、スタッフからするといいかげんにしてくれ!といいたくなるところだと思うが、実はこれこそが僕にとってものすごく重要なリサーチなのだ。できれば一年365日悩んでいたいくらい幸せなリサーチの時間なのだ。

先日お客様のお宅に伺った際にトイレと洗面に設置したペーパータオルホルダーの具合が悪いと相談があった。ゴミがたくさん出るペーパータオル、実は自分では使わず、僕はハンドタオル派である。よって、こればかりは自分が日頃使っているものをお勧めすることが出来ない。それこそデザインはとても奇麗なのだが、よくよく見てみれば原理的に無理のあるデザインで、ペーパータオルホルダーの必要性能が満たされていないデザインのものだった。
卸元とも相談した結果、彼らとしてもこのように分析的なクレームであればと、対応して頂けることになった。この際だから僕もしばらくの間ペーパータオル派になってテストしてみることにしよう。

僕の職業は建築家である。しかし、実際にはそんなことを楽しんでいる。
あ、全然関係ないけれど、今日は七夕だ。
今日は早く帰って子供たちと一緒に願い事をしよう。
今年も一年、楽しい仕事が出来ますように。

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Goodbye Picasso

20141016.jpgアメリカ、ライフ誌の契約カメラマンだった「デビッド・ダグラス・ダンカン」が撮った「Goodbye Picasso」という写真集がある。
ダンカンはアフガニスタンでの取材活動が特に有名だ。
また、日本のレンズ(カメラ)メーカーである、ニコンとの関わりも深い。
もっというと、1956年、ガルウィングの新型ロードスター、メルセデス300SLをその撮影と引き換えに所有し、取材にはその車で乗り付けるという、まるで007、ジェームズ・ボンドのような格好良さである。
実際、彼には当時のニクソン大統領に対して米国へのピカソ招聘をアレンジするなどかなり政治的な顔もある。
僕はピカソが晩年移り住んだ南仏での暮らしを知りたくてこの写真集を手に取った。

ピカソは、パリを離れたのち、カンヌ近郊の「ラ・カリフォルニー」Villa La Californieに1957年から1959年まで暮らし、その後、エクス・アン・プロヴァンスの郊外にある「シャトー・ド・ヴォーヴナルグ」に1959年から暮らした。

この写真集では、ピカソの住まいに自由に入ることを許されていたダンカンが、ピカソとそのファミリーの素顔を思いのままに撮っている。
茶目っ気たっぷりの実に微笑ましい画家の暮らしぶり(インテリア)
が伝わってくる一冊なのだ。

せっせと飲んだ36リットル

20120125.jpgここにならべてあるのはディスプレイ用に用意した750mlボトル48本。
中身はすべて我が家のテーブルウォーターとして消費した。
だからディスプレイとしての原価はタダ。
ガラス瓶としてリサイクルされる前にもう一度役目を負ってもらうのだ。
他にシャンプーのボトルやパヒュームボトルもある。
これらも外資系高級ホテルなどで使われているのと同じブランドのもの。
せっかくなので自分の好みのものを購入して中身は消費する。
そんな風に自分の生活をちょっと美化してそのままディスプレイに使ってしまう。
これが僕流。
嘘っぽいディスプレイにならないように自分なりに楽しみながら工夫している。

サイレントグリス

毎週木曜日の午後は大学の授業のため、千葉県の野田まで一時間半かけて通勤。
一度事務所に出てから行くよりも自宅で一仕事してから向かった方が移動時間分楽なのだが、ここのところ打ち合わせのスケジュールがたて込んでいて、朝一番の打合せを入れざるを得ない、という状況だ。
今日もスイスのウィンドートリートメントの専門会社である、サイレントグリスのショールームで今度の住宅でのバーチカルブラインドの電動制御について打合せ。

20111013.jpegサイレントグリスは曲げることが出来るアルミ製カーテンレールや、スイッチで制御する電動カーテンレールを世界で最初に開発したメーカーだ。
スイスの地方都市ベルン郊外に本社を持ちながら、世界中の名だたる建築の窓周りを一手に引き受けている。
ヨーロッパの建物には日本の建築のようにカーテンボックスなるものが存在しないので、器具そのものが露出しても美しくある事が前提として作られている。
だから、製品の細部は丹念に作られているのがわかる。

しかるに、当然コストは高い。
クライアントから「なんでこんなに高いの?」と、問われたときにその違いを即座に説明する事が求められる。
そのために僕はカタログだけで選ぶのではなくこうしてショールームまで出向いて製品のクオリティーを確認するのだ。

見た事ないものに対する不安感と無難なものに対する安心感の狭間で

依頼された仕事はどんな内容であれ、どのように楽しもうか、そして、そこで行ったワークがどの様にその後の設計にフィードバックし、活かすことが出来るものかと考える。
四年前に関わったあるマンションのモデルルームのデザインワーク。
設計を全て終え、さあ、着工か、となった時にリーマンショックで頓挫した。
デザインフィーは清算したけれど、実現しない寂しさを味わった。

今回、やっと販売の見通しがつき、再開するという連絡を受けた。
しかし、以前のプランとは全く異なった計画に変更されているため、また一からの提案となる。
でも、僕の方も以前の焼き直しをするつもりは全くなくて、いまの気持ちで最初から考え直す方が楽しいと考えている。

マンションのデザインワークは不特定のクライアントの姿を想像することから始まる。
中間報告をする今日、ある家族のシーンを切り取ってカバーストーリーを書き上げた。
フィクションだけれども自分というフィルターを通して語ることで、これまで見かけなかった集合住宅の住まい方とそのためのプランニングが見えてくるのだ。

一方で、景気が低迷する今、建主側はただひたすらに慎重ムードだ。
したがってちょっとでも尖った提案に対する抵抗感は相当に強い。
見た事ないものに対する不安感と無難なものに対する安心感の狭間で葛藤するのだ。
しかし、そういう今だからこそ誰かが未来を切り開かなければいけない。
そんなリスキーな役を僕が引き受けようとしているのだ、と、考えるとますます楽しい。

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ショールーム巡り第三弾

現在かかわっている変則プロジェクト。
設計は全て出来上がっていてすでに着工済み。
いまからインテリア全般を考え直し、さらに、全体の使い勝手を検証して建築にフィードバックする。
そんな役目を依頼された。

依頼が変則ならばやり方も変則にしよう。
と、内装のプランニングの方は取り敢えず一旦隅に置いておいて、いきなり、カーテン、家具素材、照明器具のセレクション、、、、
つまり、毎日触れるものから手をつけてゆくことにした。
クライアントからするとここが一番思いを入れやすい部分なので、ここを設計時点でスルーしてしまった事に対してクライアントの不満があると考えられるからだ。

僕が住宅の設計をするときには設計を進めながら同時に家具、小物の提案もする。
この家具を置きたいからこのサイズ、この照明器具を置きたいからこの天井高、と、わかりやすい形でクライアントにも設計に参加していただく。
いきなり建築の話をしてもさっぱり理解してはもらえないからだ。
実際はこのサイズの空間を作りたいからこの家具を置きましょう。だったり、この天井高を作りたいからこの器具を吊りましょう、、、と言うのが正直なところなのだが、それでは説得力が今一歩なのだ。
また、早い時期に家具の話を詰める事で世界中のあらゆる家具がオーダーする事で自由に手に入れることが可能になるのだ。

今日は午後から施主と関係者あわせて6人で5軒のショールームを回った。
これまでの2回で10軒回っているので今日で15軒回ったことになる。
おかげで殆どの情報共有が出来、意見の対立するご夫婦の意見調整も出来た。
ここから一気に内装のプラン二ングを仕上げて行くことになる。

ゲリラ豪雨の中、皆さんお疲れさまでした。

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250人乗りエレベーター

午前中は小雨の降る中、土地見。
久々の田園調布だ。
駅を出て階段を上ってゲートを潜るとき、なんとなく人の庭に入らせてもらうような気持ちになるのは自分だけだろうか。

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事務所に帰ってからの打合せは昇降機メーカーさん。
どうしても麻雀をしたいとおっしゃるクライアントのご主人。
しかし、お世辞にも美しいとは言えない麻雀機械。
デンと部屋の真中に鎮座したら興ざめだ。
だから何としてでも普段は隠しておきたい。

あれこれ考えるうちに「007」みたいだけれど、床を上下昇降させて普段は地下ピットに隠してしまおうということになった。
今日打合せしたのは偶然見つけた昇降機メーカーさん。
聞けば油圧シリンダーを使って動かせないものはない。
なんと、かつて250人乗り昇降機をつくったこともあるという。
だから、麻雀卓を床ごと地下ピットにしまってしまうなんて事は朝飯前の仕事だ。

そんな力強い味方を得てプロジェクトはうまく行きそうだ。

マナトレーディング

カーテンやベッド周りのテキスタイルでお世話になっているマナトレーディングからのお誘いを受けて「2011 INTERIOR TREND REVIEW」というセミナーを受けた。
会場には女性のコーディネーターがわんさと詰めかけている。
おそらく建築家は僕一人じゃないかな。
人が大勢集まるセミナーだと、会場の熱気にやられて約5分で眠くなる。
だから、窮屈な席を離れて立ち見した。

いつも感心するのが、前にいるアシスタントがファブリックをバサッとハンガーに架け替えて見せる度にファブリックの色が天井や壁に拡散して色によってその場の雰囲気が見事に変化すること。
手の込んだ高級な生地ほど拡散する色が美しいのがよくわかる。

このように空間の色を瞬時に変えてしまうファブリックを毛嫌いする建築家は多いのではないかと思う。
僕も以前はお客さんからいわれない限り、白色一辺倒だったことがある。
しかし、最近になって徐々にそうした遊び心がわかるようになってきた。

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