桑原聡建築研究所

Satoshi Kuwahara Architectural Studio

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ホテルのアーカイブ

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ホテル [ 1 entry ]

「アマン東京」

「アマン東京」は「アマン」ブランドの27軒目のホテルである。
また、今回、アマンとしては都市型ホテルへの初参入となる。
それでもドレスコードはスマートカジュアル。
短パンTシャツでもかっこ良ければそれで良し。
大都会のど真ん中にあって非日常感、リゾート感満載のホテルというわけだ。

設計はお約束通り、オーストラリア人建築家、ケリー・ヒルが手がけている。
このホテル、2014年に開業した高層複合ビル「大手町タワー」の33階から38階部分に位置する。
足元に広がる「大手町の森」と呼ばれる緑豊かな環境が売りのビルだ。
33階のエントランスホールへは足元の「大手町の森」に包まれた「ザ・カフェ by アマン」の脇から入ったレセプションカウンターを経由して専用エレベーターで上がる。
するとそこには上部4層にわたって和紙に覆われた壮大なスケールの6層吹き抜けの空間が現れる。
これがレセプションホールであり、待合せ・チェックイン・会計・休息・語らい、のすべてがここで行なわれる。
その広大さには誰もが驚くだろう。
さらに琴の生演奏が行なわれ、和のイメージを引き立てている。

僕はかつて、インドネシア バリ島と、タイ プーケット島のアマンリゾーツを訪れたことがある。
施設はちらかと言うとシンプルで合理的、そして簡素な作りで統制されていた。
しかし、その一方で大型ホテルにはない人的サービスについては徹底していて、必要と思うとどこからともなく瞬時に日焼けした笑顔で現れる、白い短パンポロシェツ姿のスタッフたちが清潔感満載でとても気持ちのよいホテルだった。
そんなスタッフに近所の穴場を聞くと、瞬時に四輪駆動の車が用意され、冷たいおしぼりや飲み物と簡単なつまみを積んでちょっとしたピクニックへ連れて行ってくれたりもした。
コテージのピクチャーウィンドーから見える棚田で働く農夫たちの姿もそこになくてはならない伝統的風景の一つとして計画されていると聞いたことがある。
そんなアマンリゾーツだから開業当初から日本の「リョカン」を意識していたことは言うまでもない。
だから、日本上陸は「アマンリゾーツ」にとっては大きな挑戦だったと言えよう。

全84室の客室数は顔の見えるサービスを提供する規模としては上限規模かもしれない。
71m2の広さを誇るスタンダードルームや、ゆったり肩までお湯に浸かれる日本式の「お風呂」など、彼らの提案が旅館とは異なる切り口でどのように受け入れられるかなど、これからが楽しみなホテルだ。

20150920-2.jpgところで、今日、僕はここのレストランで食事をしてきた。
9メートルの天井高のレストランスペースは僕も度々使用する灰褐色の溶岩石に覆われ、客席間のスペースも非常にゆったりとられており、食事だけでも充分リゾート感が味わえる。
また、食後のひとときを和紙に覆われた吹き抜けのレセプション空間で過ごすも良し、ライブラリーでゆったり本の頁をめくりながら過ごすのも良いだろう。
アマンリゾーツが限られた人数のゲストのために豊かな過ごし方ができる場を提案していることがよくわかる。

ところで、すでに日本第二弾となるアマンが三重県志摩市合歓の郷(ねむのさと)にオープンする。
昨年10月に既に基礎工事に着手しており、来年の開業を目指しているという。
こちらも楽しみだ。

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