桑原聡建築研究所

Satoshi Kuwahara Architectural Studio

  • 文字サイズ
  • 小
  • 中
  • 大

home

Column

Column

土砂災害特別警戒区域(レッドゾーン)での計画に思う

降雨量が年々更新される状況から痛ましい自然災害が絶えず起きるこの地球環境の変化は我々の設計に大きく影響を与える要因の一つとなっている。

そのような中土砂災害防止法の改正を受け、基礎調査を経て土砂災害特別警戒区域(レッドゾーン)の指定が始まり、指定区域での建築が大幅に制限されることとなった。
制限というが、実際には犠牲者ゼロを目指して区域内には建てさせないための法律となっている。したがって設計事務所も工務店もレッドゾーンでの建築相談はいかにして避けて通るかとの暗黙の示し合わせがあるようだ。
役所に相談に行ってもどこか安全な場所に建てるよう建主を説得していただけないでしょうか、、、といわれることもしばしば。
ところが現在相談を受けている案件のうち二つがこうした区域を含む案件だ。
どちらも建主は寝耳に水で、いつの間にか指定されており、さて困ったどうしよう!となって相談に来られたケースだ。
そのうちの一つはさらに公園法の網掛けもされていて、土砂災害的には堅固な建物を作らなければならない。しかしその一方、公園法では簡易に除却できる建物でなければならない。簡単に作れて壊せるけれどそこに建っている限り人の命を守ってくれる、3匹の子豚さんも考えつかない4匹目の子豚さんの家が求められている。

20221004.jpg

僕はこのような相談を受けるとなんとかしたいと立ち上がってしまう。もちろんただ建てるだけではなく、こだわりと現実の間でもがき続けることになる。そして協力を求めた構造・設備や施工者からは桑原さんの案件はややこしい、と小言を言われるのだが、その実新しい学びを楽しんでくれているのだと信じることにしている。

昨日は都内文京区の土砂災害特別警戒区域での計画について東京都庁に相談に行った。この敷地はわずか200m2の敷地の中に高低差が約10mあり、ごく一部だがレッドゾーンが入っている。レッドゾーンを敷地から除外してしまえばそれで計画は通常通りできるのだがいかにも取り除きましたという感じがしてどうも形が良くない。その上レッドゾーンに手を加えることなくそのまま残すわけだから土砂崩壊の危険性はそのまま放置することになる。計画者としてそれでは倫理に反する。そこでこの部分を敷地に取り込んで計画したいと考えた。先週電話で相談したところよく分からない返答が返ってきてこれはやはり対面で話を聞かないとダメだなと感じてあえてアポなしで向かったのだ。最初は警戒されて遠回しに当たり障りのない対応をされていたようだが踏み込んで話を聞くうちに上司も加わりやっと本音を引き出すことができた。要するにこうした案件では危険性を顧みずに法的に通るからと安易に計画されてしまうことを警戒しているようだ。都心のレッドゾーンの場合、新たに安全な建物を建てることにより現状の地盤崩壊の危険性を改善することになることが明白であれば建てさせない理由はないはずなのだ。そこで焦点となるのが区画形質の変更に当たるかどうかで、つまり開発行為になってしまうと手続き上もテクニカルな問題上もまず不可能という答えにならざるをえないようだ。その場合特に形の変更について地盤面を一定以上切盛することがあってはならないことになる。

事業性の問題もあるようなのですぐに進むというものでもないかもしれないが新たな学びを得ながら正しい道を模索しているところだ。

小雨降る中の地鎮祭

世田谷区若林で小雨降る中の地鎮祭。二十四節気も来週20日からから穀雨との神官の説明に納得。この案件、中庭をコの字型に囲うローコスト長屋プロジェクト。外壁率が高いことからコストアップ要素が問題となり見積もり合わせは難航した。施工はかつて二年在籍したコスモスモア。インテリアの仕事では何度か依頼しているが、新築では初だ。こちらは木造もRCも請けてはいなくて軽量鉄骨造のニッチな分野だけというからなかなか僕としては珍しい機会だ。在籍していたのは四半世紀以上前のこと。だから担当のスタッフの方々は初めてお会いする人ばかり。でも、今日の地鎮祭に施工者代表として参列してくれたのは入社同期で京男の陽平くん。どうぞよろしくお願いします。ということで僕には全く似合わないガッツポーズでのツーショットを祭壇前で。

IMG_0448.JPG
IMG_0449.JPG

現在設計中のビルもかつてのリクルートコスモス同僚からの依頼で進んでいるからなんだかここのところちょっとした同窓会の様相。もちろん仕事なので甘えはありません。

今日のプロジェクトは今秋の終わりに完成予定。

古民家再生

岡山で古民家再生の相談を受けることになり、何かのヒントになるかもと、前から泊まりに行きたいと考えていた長野県の飯綱町で知人が運営している古民家カフェ「のらのら Farm & Cafe」に急遽お邪魔させてもらうことにした。

20210403-01.jpeg20210403-02.jpeg

オーナーの高野さんは先祖から譲り受けた広大な敷地と家屋を活かしてリンゴなどの栽培からシードル、ワイン作りなど事業を行う一方、心のケアを必要とする子供たちやある意味偏った生活環境で「してはいけないこと」だらけの都会の子供達にのびのびと過ごせる場を提供したいと活動しておられる。また、移住を考える人たちの相談役として彼らと地域を結びつける役割も大きい。飯綱町は長野駅から車で北へ30分ほど登った高原地帯にあり、隣接して野尻湖をもつ信濃町と合わせて軽井沢同様の高原地域にあたる。長野駅から東京駅まで北陸新幹線で1時間半弱だから都心のオフィスで朝一の会議があっても早朝発で参加可能だ。飯綱町では小学校の統廃合による廃校を利用した県内外の企業誘致も盛んに行っている。今回は二つの事例を見たがこうした受け皿が用意されていればその気になる企業も多いだろう。なかなか羨ましい環境といえる。

20210403-03.jpeg20210403-04.jpeg20210403-05.jpeg20210403-06.jpeg20210403-07.jpeg20210403-08.jpeg

視察のついでに、長女が幼い頃、毎夏訪れていた思い出の場所、旧野尻湖プリンスホテルにも立ち寄ってみた。その後、「野尻湖ホテルエルボスコ」と名を変え営業してきたが、設備の重大な欠陥が見つかったそうで現在は閉鎖されたままとなっており、ちょっと寂しい場所になっていた。再開したら是非再訪したい。

20210403-09.jpeg

さらに1時間ほど足を伸ばした志賀高原では快晴の空の下、今年の滑り納めも堪能し、山の神様にもご挨拶。
さて、週が明けたらいよいよ岡山へ。

20210403-10.jpeg20210403-11.jpeg

Works更新のお知らせ(目黒東が丘の住宅K邸)

今年1月に竣工した目黒東が丘の住宅K邸のWorksをアップいたしました。
ぜひご覧ください。

『家庭画報』2021年4月号【3/1発売】掲載のお知らせ

『家庭画報』2021年4月号【3/1発売】
進化するホームシアター&音楽のある、夢のライフスタイル拝見「わが家コンサート」のすすめ (P.52-55) にて
今年1月に取材していただいた東中野のK邸アネックス(別邸)が掲載されています。

以下、紹介文より
家で過ごす時間が長くなる今、俄然、注目が集まっているのが家庭内のAV環境。質の高い豊富なソフトがオンライン配信などによってわが家でゆったりと贅沢に享受することができるようになっています。一方でリアルな楽器の学びなおしのブームもあり、自宅で生の音楽を楽しむ文化も多様な形で成熟しつつあります。今月は音楽と映像を愛する豊かな暮らしを訪ね、わが家を"感動劇場"に変えるヒントを探ります。

お手にとってご覧いただければ幸いです。

IMG_0227.jpeg

『家庭画報』2021年4月号【3/1発売】掲載のお知らせ

『家庭画報』2021年4月号【3/1発売】
進化するホームシアター&音楽のある、夢のライフスタイル拝見「わが家コンサート」のすすめ (P.52-55) にて
今年1月に取材していただいた東中野のK邸アネックス(別邸)が掲載されています。

以下、紹介文より
家で過ごす時間が長くなる今、俄然、注目が集まっているのが家庭内のAV環境。質の高い豊富なソフトがオンライン配信などによってわが家でゆったりと贅沢に享受することができるようになっています。一方でリアルな楽器の学びなおしのブームもあり、自宅で生の音楽を楽しむ文化も多様な形で成熟しつつあります。今月は音楽と映像を愛する豊かな暮らしを訪ね、わが家を"感動劇場"に変えるヒントを探ります。

お手にとってご覧いただければ幸いです。

IMG_0227.jpeg

I'm home. no.110 2021 Mar(2021年1月16日発売)に連載のお知らせ

imhome110_cover.jpeg

I'm home. no.110 2021 Mar(2021年1月16日発売)に連載のお知らせです。
連載第11回目は、前半では設備計画について、後半には着工から上棟までを解説しています。連載はあと1回を残すところとなりました。どうぞ書店などで実際にお手にとってご覧下さい。

imhome110_contents-1.jpegimhome110_contents-2.jpeg

I'm home. no.110 2021 Mar(2021年1月16日発売)に連載のお知らせ

imhome110_cover.jpeg

I'm home. no.110 2021 Mar(2021年1月16日発売)に連載のお知らせです。
連載第11回目は、前半では設備計画について、後半には着工から上棟までを解説しています。連載はあと1回を残すところとなりました。どうぞ書店などで実際にお手にとってご覧下さい。

imhome110_contents-1.jpegimhome110_contents-2.jpeg

1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 Next

Page Top