桑原聡建築研究所

Satoshi Kuwahara Architectural Studio

  • 文字サイズ
  • 小
  • 中
  • 大

home

Column

Column

モロッコ−4 お祈りの声

モロッコ人は99%がスンニ派のイスラム教徒です。
モスクから1日5回、歌のようにコーランのお祈りの声がスピーカーを通して聞こえてきます。これは何処か日本のお経のようにも聞こえます。
なかでも明け方のお祈りは強烈です。
宿の隣にモスクがあろうものなら強烈な声で起こされるからです。
都会ではモスクが多いのであちらこちらからそれぞれ異なる声がズレながら聞こえてくるので大合唱となります。
慣れてくると最初にスピーカーの電源が入る「プツン」という音が聞こえてきますので心の準備ができるようになってきます。
そして旅も後半になると次第に心地よい響きに変わり、しまいには無くてはならないものに思えてきます。
日常のなかにある音というのは実は僕たちの環境や空間にとって、目には見えないけれども実に支配的だという事がわかります。

20150127-1.jpeg20150127-2.jpeg20150127-3.jpeg

モロッコ−3 ハマム

モロッコは基本的には暑い国です。
しかし、冬は普通に寒くなります。
夜間の冷え込みはかなりのもので、東京とさほど変わりません。
しかし、建物には断熱が施されていないこと、また、夏の灼熱の暑さを旨として作られてきた建築ですので、共用部は基本的に半外部です。
従って、とくに明け方はものすごく冷え込むので、朝日が昇ってくるのが待ち遠しくってしかたなくなります。
そんなときに日本の、特に温かいお湯がザブーンとあふれるようなお風呂が恋しくなります。
しかし、よほどの高級ホテルでない限りシャワーのお湯も満足に出ないことが多いので温まるすべがありません。
しかし、心配しないでください。ここにはハマム(hammām)があります。
ここは天国です。

20150126-1.jpeg20150126-3.jpeg

ハマムは大きな街になると街中至る所にあって日本の銭湯と同じく男女別々に入り口が設けられています。
男湯の方にはモザイクタイル張りのベッドが数台設けられた薄暗い洗い場でアカスリをしてくれるマッチョマンが待ち構えています。
スチームサウナに入って体がふやけたところで一気に全身の垢を擦りあげてくれます。
めちゃめちゃ乾燥しているこちらではハマムに入るのは基本的に一週間に一度くらいといいます。
僕も旅行中は水のシャワーで部分的に洗う程度で済ませていたので、びっくりするくらいの垢が出てきました。
更にプロレスのように羽交い締めされ、脚と腕のストレッチ。
ここでは皆、ぎゃーとかうえ~とか思わず叫んでいます。

ちなみに、昔、そうとは知らずに入ったブダペストの温泉で周りが全てホモセクシャルの方々に囲まれていたことがあって、彼らに全身タッチされまくった苦い思い出があるので、ちょっと身構えてしまったのですが、ここではそんなことはありません。

モロッコ−2 モロッコの洗礼

空路でのモロッコ入国では国際空港であるカサブランカに降り立つことになります。
ここから第一の目的地であるマラケシュに向かいます。
早速、空港にたむろしているタクシードライバーとマラケシュまでの料金交渉が始まります。
鉄道を使えば安いのですが、本数が少なく乗り換えに時間がかかるので急ぎ足の旅ではタクシーに頼らざるを得ません。
しかし、モロッコ初心者の旅人を相手に商売している空港のタクシーは強気です。
ここでは全く交渉にはならず、時間を惜しむ弱い立場の僕たちは、言い値での取引に応じざるを得ないことになります。

カサブランカ~マラケシュ間には高速道路が整備されていて、緩い起伏のある赤土の大地がどこまでも続き、日干し煉瓦で作られた民家が点在する中に羊、山羊、驢馬、牛、といった家畜が草を食んでいる長閑な風景が展開します。

カサブランカから南に約250キロ。
マラケシュは人口約90万人の大都会です。
この町に入ると一転、オンボロタクシーが鳴らすクラクションの音、車の間をすり抜ける人、更には驢馬の荷車、一家族全員が乗ったバイクなどが溢れ、ひたすら混沌としてきます。

メディナと呼ばれる旧市街の中にある宿には車で入ることができません。
従って近くの街路で荷物と一緒に車から降ろされることになります。
そこへすかさずガイドと称する人たちが荷物を持ちに集まってきます。
ここで僕たちモロッコ初心者の旅人はいきなりモロッコ流の取引の洗礼を受けることになります。
もたもたしているとホテル名を聞き出した案内人にどんどん先導されてしまいます。
結果、宿までの行き方がわかっている僕は望んでもいないのにガイドサービスを受けたことになり、この場合はチップではなくガイド料を要求されてしまいます。
荷物を運んでもらったのだからとチップを渡そうとすると、それまでとは一転、怖〜い顔をして「ノー」といって受け取らず、引き下がりません。
ここで何事も最初に話し合い、交渉してお互い納得して握手してからでないとトラブルになりかねないことを学ぶわけです。

でもそんな事は楽しい旅の中では些細なお話。
スリやひったくりにあった訳ではありません。
お釣りが来るくらい楽しい旅の始まりは屋台と大道芸人でごった返す、マラケシュのメディナの中心、ジャマ・エル・フナ広場からです。

20150125-1.jpeg
20150125-2.jpeg
20150125-3.jpeg

モロッコ−1

さて、またまた急に思い立って、お正月の元旦から12日まで北アフリカのモロッコを巡ってきました。

我が家ではお正月は志賀高原スキー場でむかえるというのがここ数年の決まり事です。
しかし、今年は様子がいつもと異なっていました。
お子さんをお持ちの旅好きなご家庭ならどこもそうだと思いますが、私のうちでも中三の娘の休み方によって休暇のあり方を合せていくことになります。
その娘がいつもなら正月明けに参加する筈の中学校のスキー学校にはもう参加しないと突然言い出したのです。
じゃあ、志賀高原でゆったりスキーをしようか。
と、いつもの常宿に2週間の予約を入れました。
しかし、2週間あったら世界中どこにでもいけます。
そのときはスキーのことで頭がいっぱいだったので後で冷静に考えてみると、前からいきたかったトルコ、もしくはモロッコはどうか?ということになりました。
早速チケットを検索。
なるほど、12月31日までは高いチケットが元旦にはガクッと安くなるではありませんか。
確かに元旦にあたふた出掛けることを嫌う人は多いと思います。
これなら年末にスキーにもいけるし旅行にも行ける。
だから、僅か一時間足らずでチケット手配完了。

冬場のトルコは結構寒いので東京よりは少しだけ暖かいモロッコに行き先を決めました。

20150124-1.JPG

モロッコの都市はメディナとよばれる旧市街の迷路のような都市空間が特徴的です。
これは計画して作れるものではないだけに僕たちの心を捉えて放さないのです。
また土を築き上げるだけで構成される建築が群として集合する風景もこれまで観たことも無いランドスケープとしての魅力を放っています。

そんな旅の様子をアップしてまいります。

20150124-2.JPG

新年

20150101.jpg

ばたばたとしているうちにもう一月もあと僅か。
たいへん遅くなりましたが、

あけましておめでとうございます。

今年はちょっと忙しい年になりそうです。
いま、港区内でかわいらしい規模の集合住宅を一棟設計しています。
昨年中に計画していた岩手県での集合住宅計画は雪解けを待っていよいよ工事に入ります。
また、近隣の医療施設の新築及び改修の計画にも参加していて、現在は計画前の構造調査を行っています。
改修では築40年以上になるコンクリート住宅の内外装にわたる改修を手がけています。
一方でしばらくさぼっていた家具デザインについても再開していきます。

今年も多くの方々に助けられながら、納得のいく仕事をするべく、背伸びせず、確実に進んでいきたいと思います。
どうぞよろしくお願い致します。

軽井沢雪景色

今年は猛烈な低気圧の影響で12月の半ばだというのに雪ですっぽり覆われています。
軽井沢は寒いけれども積雪はさほどでもないのですが、今年はだいぶ様相が異なります。

20141218-1.jpeg

今日、現場にいくと、何やら雪で覆われた屋根の上に人の姿が。

20141218-2.jpeg20141218-3.jpeg

そうです、屋根のてっぺんに開いた穴に硝子を被せる工事をしていました。
硝子一枚あたり約60キロあります。
滑らないよう気をつけてくださいね。
何しろ屋根勾配は4寸ありますので。
条件が良ければ一人当たり25キロで計算する硝子工の人工ですが、今日は足場が悪いので一人当たり12キロ程度で手配してくれているようです。

20141218-4.jpeg20141218-5.jpeg

無事完了して内部はとても気持ちよい自然光に包まれました。

来週の竣工検査に向けて工事はがんがん進みます、と、言いたいところですが、小さな現場なので大きな現場みたいに人海戦術という訳でもありません。
相変わらず平均年齢かなり高めの職人さんたちがめちゃくちゃマイペースに仕事をしています。
それでも小さい住宅の現場は何とかなるものなのです。

20141218-6.jpeg

その場で気がついて言えばすぐに修正も効くのでこんな風に壁に落書きしながら指示していきます。

ここには、設計図書の通りにつくれば良い、というのではなく、空間をつくりながら考え、考えながらつくる楽しさがあります。

ページェント

毎年この時期になるとお世話になっている教会幼稚園のクリスマスページェントを観に行きます。
卒園を間近に控えた幼稚園の年長さんが皆で作り上げるキリスト降誕劇です。
教会行事として行うので、舞台は1917年(大正6年)9月に献堂式をおこなった礼拝堂です。
下の娘はそのまま通い続けていれば今年が出番となる年です。
だから、今日は入園時のお友達に久しぶりに合える日なのです。
僕が毎年、目をうるうるさせてしまうのは、9年前、長女がマリアを演じたときのことを思い出してしまうからです。

これが終わるとあっという間に本当のクリスマスがやってきます。

今日は家に帰ると上の娘が友達10人集まって家でクリスマスパーティをしています。
青春真っ盛りといった感じです。
僕と下の娘には帰っても居場所はありません。

子供たちは楽しんでいますが、僕はかなり焦ります。
ああ早く仕事をおさめておかないと。

20141214.jpg

地盤のこと

先日の長野県北部地震があった直後に地盤調査を行った現場。
特に傾斜地での計画では地震以外にも土砂災害が心配されます。
そのことが気になって国土地理院のサイトから断層などの地盤情報をチェックしてみました。
この地図を見ると一目で分かります。

20141213-1.jpg

今回被害が多かった白馬村ではこの断層の直上部から東側にかけて被害が集中しました。
この断層はほぼ全て谷地形に沿って走っているので、ほとんどの場所は農地です。
しかし、農地に沿って集落が形成された場所も多く、被害はそうした場所に現れています。

では、僕の事務所がある南平台はどうなのでしょう?
事務所や今回地盤調査をした土地は地名からしても明らかに台地上になるのでやはり下位段丘面となります。
下位段丘面とは数万年から数千年前に離水した台地面とあります。
では、平坦地にある私の実家と自宅はどうなのでしょうか?
気になって調べて見るとやはりここにも明らかな段丘形成の地形が存在しています。
確かにほんの僅かだけれど、起伏の状況で段丘地と沖積地が入れ替わるのが分かります。

20141213-2.jpg20141213-3.jpg
20141213-4.jpg20141213-5.jpg

この話で気になった方は調べてみると良いでしょう。
しかし、沖積地だからといってけっして悪い訳ではありません。
それに応じた基礎を作れば良いのです。

Prev 5 6 7 8 9 10 11 12 13 14 15 Next

Page Top