桑原聡建築研究所

Satoshi Kuwahara Architectural Studio

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Column

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今年も一年、楽しい仕事が出来ますように

僕の職業は建築家なのだけど、家具も作るし、あるときはインテリアコーディネーター、そしてまたあるときはデコレーター、はたまたたまにキュレーターにもなる。いまのところ住宅に限りの話だけど。
つまり、ひとさまのライフスタイルを丸ごと作る職業なのだと捉えている。

そのため、日頃からライフスタイル関連商品のリサーチを欠かさない。国内、海外問わず、レストランやショップでふと気になるものを見つけると裏返して刻印をチェック、初めて見るものであればすぐにググってブックマーク。日本での取り扱いを調べておく。すると案外知人の取り扱いだったことを知ることもある。
そして本当に気に入ったものは先ず自分で購入して使ってみる。
そうすると本当に永く使えるものなのか、ただ奇麗なだけのデザインなのかがよくわかる。しかし、ものは使いやすければ良いというものでもない。使いやすくするために取ってつけたようなデザインは一番嫌いだ。永く使えるということはデザインも使い勝手もすべて心地よいものなのだ。ただのディスプレイならそこまでしなくても良い訳だけど、僕はどうもそうした思い切りがない。使うものでも飾るものでも購入する以上はその存在理由が欲しいのだ。
だから、ただのディスプレイだとわかっていても、例えば本を購入するときなど見かけのボリューム感、表紙の格好よさ、そしてその中身の有益さをはかりに掛けて悩みに悩む。もちろんコストパフォーマンスも重要だ。たとえクライアントが中身を見ることがないとわかっていても。しかし、そうしていちいち悩んでいるのは無益なようにも見えるかもしれないし、スタッフからするといいかげんにしてくれ!といいたくなるところだと思うが、実はこれこそが僕にとってものすごく重要なリサーチなのだ。できれば一年365日悩んでいたいくらい幸せなリサーチの時間なのだ。

先日お客様のお宅に伺った際にトイレと洗面に設置したペーパータオルホルダーの具合が悪いと相談があった。ゴミがたくさん出るペーパータオル、実は自分では使わず、僕はハンドタオル派である。よって、こればかりは自分が日頃使っているものをお勧めすることが出来ない。それこそデザインはとても奇麗なのだが、よくよく見てみれば原理的に無理のあるデザインで、ペーパータオルホルダーの必要性能が満たされていないデザインのものだった。
卸元とも相談した結果、彼らとしてもこのように分析的なクレームであればと、対応して頂けることになった。この際だから僕もしばらくの間ペーパータオル派になってテストしてみることにしよう。

僕の職業は建築家である。しかし、実際にはそんなことを楽しんでいる。
あ、全然関係ないけれど、今日は七夕だ。
今日は早く帰って子供たちと一緒に願い事をしよう。
今年も一年、楽しい仕事が出来ますように。

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内覧会のご案内 白金台の集合住宅(芝白金ホームズ)

空の青さに真夏の到来を感じる頃となりました。
皆様方におかれましては益々ご活躍のこととお慶び申し上げます。
さて、2013年夏、土地建物の相続の相談からスタートし、私どもの設計監理を経て実現した、 オーナー2戸、賃貸7戸の集合住宅が、この夏竣工致します。
引渡を前に、オーナーのご理解を頂き、内覧会を開催させて頂くこととなりました。
御多用中とは存じますが、お繰り合わせのうえ御参加くださいますよう、お誘い申し上げます。

日時
2016年7月16日(土)13:00~18:00 7月23日(土)13:00~18:00
住所
港区白金台2-19-2
交通
東京メトロ南北線・都営三田線「白金台」駅 1 番出口徒歩7分
都営浅草線「高輪台」 駅 A2出口徒歩5分
JR・東京メトロ等「目黒」 駅 徒歩14分

当日連絡先
090-2305-7592(桑原)
090-4076-2798(清水)

物件名 芝白金ホームズ
敷地面積 376.28m²
用途 長屋(3戸)、共同住宅(6戸)
構造 RC造
階数 地下1階、地上3階(屋上にペントハウス)
建築面積 254.34m²
延床面積 443.79m²
意匠設計 桑原聡建築研究所
構造設計 我伊野構造設計室
設備設計 YMO
施工 金澤建設株式会社
FFE 唯アソシエイツ

■留意事項
・車でお越しの場合は、近くの駐車場をご利用下さい。
・スリッパ、手袋等ご用意をお願い致します。
・お手洗いはお近くのコンビニ等をご利用ください。
・引渡し前につき、傷・汚れには細心の注意をお願い致します。

桑原聡建築研究所
〒150-0036渋谷区南平台町2-6-404
tel:03-5459-9643 fax:03-3463-1991
http://www.s-kuwahara.com

ルイスポールセン特別レクチャー

ルイスポールセン特別レクチャー 「フィンランド建築の100年 − アールヌーボーからアアルト、現代まで」

建築家アルヴァ・アアルト(1898-1975)の国、フィンランドからいらしたアアルト建築の研究家でもある建築家、マリアンナ・ヘイキンヘイモ氏が、ヘルシンキの建築の魅力を伝える会ということで、昨晩は六本木のルイスポールセンに寄り道してきた。

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最近のヘルシンキは、西側に広がるヤトカサーリ地区を始めウォーターフロント地域の再開発ラッシュで、多くの人々が水辺に移り住めるように、もともと港湾地区だった場所を整備している。
さすがに森と湖の国フィンランドというくらい、水辺を巧みに活かしてきた人々だ。その水のあるくらしの楽しみ方を知っている。

また、暗い冬と白夜の夏の大きな対比のあるフィンランドでは、明と暗、それぞれのくらしの楽しみ方を身につけることが必須である。
しかし、それでも冬の暗さと孤独感から心を壊す人々も多い。
最近の建築事例として紹介されていた、カンピ静寂の礼拝堂(2012)
この礼拝堂は、ヘルシンキの中心街にあるショッピングセンター前の広場に、静寂との出会いの場として建てられた。
ここは、実は礼拝などの儀式を行う施設ではなく、人々が心を安らかにすることを手助けするような活動をしている場所なのだそうだ。訪れる人々の話し相手をするために、教会や市の福祉課のスタッフが常駐しているとのこと。

ほかにも、鉄道跡を利用した自転車、歩行者専用道路、バーナ(2012) というのもおもしろい。
もともとアクティブな国民性から移動交通の自転車への転換にはポジティブなのだ。現在、オフィスビルの駐車場は次々と自転車用の駐輪場に作り替えられているのだそうだ。駐輪場に生まれ変わった駐車場にはシャワー設備が設けられ、通勤で流した汗を洗い流すことができるのだ。
冬はどうするの?と思ったのだが、実はフィンランドでは自転車は夏だけの乗り物というわけではない。多くのヘルシンキ市民が、冬でもスパイクタイヤを取付けた自転車を乗り回している。

北欧と言えば社会福祉の国という印象もある。
僕が北欧を最後に巡ったのは十数年前だったかな?
福祉、医療に脚を突っ込み始めている今の僕としては、また行きたくなってきた。
今度は冬に自転車で巡ってみたいな。

Works更新のお知らせ(西東京の住宅改修)

今年2月に竣工した八王子の住宅改修のWorksをアップいたしました。
ぜひご覧ください。

Works更新のお知らせ(Louis Poulsen Japan Ltd. Office)

昨年8月に竣工したLouis Poulsen Japan Ltd. OfficeのWorksをアップいたしました。
ぜひご覧ください。

あえてバリア

高齢者のための居住環境を考える時に、必ずバリアフリーの概念が下敷きとして理解されるが、医療、福祉、介護の現場ならともかく、こと住宅となるともう少し別の解釈もあるだろう、というのが私の思いだ。あえて安全で積極的なバリアを設ける手法である。

そもそもバリアフリーってなんだろう?
生活の支障となる物理的な障害や、精神的な障壁を取り除くための施策とある。しかし、国交省のパンフレットによると、高齢者・障害者等の移動の円滑化のため、とあり、現実には建物の段差を取り除くことなどのみを示すにとどまるケースが多く見られる。

20160705.jpg18年前に古稀を迎えた私の両親の家を設計した時、ホームエレベーターの設置を望んだ両親を説き伏せて、蹴上15センチ、踏面30センチの緩勾配の階段を6段ごとに踊り場を設けて、螺旋状に4回、階高3.6メートルを24段、自力で登らせる動線を設けることで日常の歩行動作を促す計画とした。
http://www.s-kuwahara.com/works/1998/07/works-89.html
今月88となる父も84の母も、寝室、風呂、洗濯機のある1階とリビング、ダイニング、テレビのある2階の間を1日に何度も往復する。いや、「させられて」いる。
「しなければいけない」からだ。
いざとなればエレベーターを取り付けられるように、階段の中心に四角いヴォイドを設けているのだが、未だその必要はなく、クローゼットとして機能し続けそうだ。

その後、高齢のクライアントや、終の住処として建て替えを希望されているクライアントのために、こうした考え方は常に用いるようになった。
さらに、昨年末に完成したオークフィールド八幡平は、個人住宅ではなく、高齢者福祉施設に位置付けられるサービス付き高齢者住宅なのだが、ここでも同じ考え方を実現させた。
http://www.s-kuwahara.com/works/2015/11/works-828.html
この建物には小さなホームエレベーターが一基設置されてはいるが、大きな荷物を運ぶとき以外利用する人はいない。最高齢の方で90となる入居者の方々だが、皆さんスロープと階段を自力で歩いて別棟のレストランへ行ったり、そこから外出したりしている。

かつて観に行ったことがある、荒川修作とマドリン・ギンズによる「養老天命反転地
http://www.yoro-park.com/facility-map/hantenchi/
これは我々の平衡感覚器そのものに芸術家の意図的な外力がダイレクトに与えられることで、それまで当たり前と思っていた状況が全てあっさりと覆されて、混乱(人によっては吐き気や転倒、怪我なども含む)と格闘しながら作品の中を彷徨うという、それまで誰も考えたことのなかった壮大な作品だ。人の意識というのは実に創造性の賜物である。ほんの僅かな外力によるその変化と反応は、人によっておおきな違いを生むのである。

そこまで芸術的、あるいはアスリート的に追求しなくても、日常生活の中でより自発的に体を動かし、体に備わるセンサーの働きを促す仕掛けは重要である。
というのも、バランスを保つためのセンサーの役割を果たしている、内耳の平衡感覚器、つまり三半規管と耳石器は加齢とともに衰えて行く。この平衡感覚器の衰えは、めまいの原因となり、やがて転倒事故を招く。特に高齢者の転倒事故は致命的なダメージを与えることになりかねないのだ。
転びにくい体を作るために、常日頃からウォーキングやストレッチなどの運動で筋力や柔軟性を高めるのに加えて、バランスを取る力を鍛えるトレーニングを組み込むことが重要なのだ。

しかしながら、食料を得るために山に入り、洗濯をするために川まで歩き、炊事のために薪を拾いに行くことが当たり前の人々からすると、体力維持のためにわざわざ機械を使って運動をする現代の人々の姿は異様な光景だろう。

だから私は住まいの設計をする時、少しだけ意地悪をして空間に仕込んだ「あえてバリア」、ちょっと使いにくいことや回り道を設けることで、我々の知恵と工夫と感覚を呼び覚まし、本来持っていた健全な感覚を衰えさせることなく持続可能なものとすることを重要なことがらと考えているのだ。

恒例の岩手県八幡平出張

今日も恒例の岩手県八幡平への日帰り弾丸出張でした。
最近は月一回になったので以前のように慌ただしくはありません。
それでも時間が経つのはあっという間で、午前中のオークフィールドミーティング、オークテラスでのランチ、そして午後の東八幡平病院建設ミーティング、そして帰りの時刻までの残された時間を使ってお昼に食べ損ねたランチの続きを堪能して!帰ってきました。
朝からよく晴れていたので、隙間時間に夏の高原気分を味わいました。
写真を見ればその気分を共有できるかと思います。

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本当に心から安らげる風景と人々の営みがここにはあります。
首都圏の夏の暑さにうんざり、
山や自然が好き、
地産地消のおいしい食事を味わいたい、
そんな Over 50s の方々のために、お試し移住、大募集中です。
もちろん即入居したい!という方も大歓迎です。

オークフィールド八幡平
事業者のウェブサイト
スーモの紹介記事
紹介VIDEO

アウトドア家具納品

ドイツに注文していた、八王子の住宅改修の現場のテラスに設置するアウトドア家具がやっと届いたので、納品チェックに出向いた。
この家具、セブ島の藤編み職人の手により編まれてドイツにいったん戻り、その後検品を経て日本にやってくるのだそうだ。

20160623.jpg設置場所となる八王子の現場では3月に植えた植木も梅雨の雨を浴びて元気に育っている。
緑がいきいきするこの時期、周囲が緑に包まれてさえいれば、何もしなくても住宅の佇まいは美しい。
今は建築家にとってそんなふうにお得感がある季節なのだ。
そんな緑豊かな環境で作ったテラスなので、絵になるし、実際のところとても気持ち良い。
遊びにいらしたお客さんがなかなか帰りたがらなくてね、、、と嬉しそうに話すクライアントさんも心から喜んで下さっていて、そんな様子を見るのはこちらにとって、心から嬉しい。

さて、この次は緑が濃くなる頃を狙っての写真撮影、及び、テラスでのお茶を楽しみにすることにしよう。

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