桑原聡建築研究所

Satoshi Kuwahara Architectural Studio

  • 文字サイズ
  • 小
  • 中
  • 大

home

Column

Column

セバスチャン・サルガド「The Salt of the Earth」

20150828.jpgビム・ベンダース監督がブラジル出身の写真家セバスチャン・サルガドを撮った「The Salt of the Earth」(原題 Le sel de la terre)を観た。
邦題は「セバスチャン・サルガド 地球へのラブレター」
邦題からすると何か「ガイア・シンフォニー」のような映画かと思われてしまいそうだが、それは全く違う。

この映画、現在、渋谷東急文化村、ル・シネマにて上映中。
さすがにビム・ベンダースのドキュメンタリー映画はドキュメンタリーを超えた物語になる。
「リスボン・ストーリー」「ブエナ・ビスタ・ソシアル・クラブ」「Pina ピナ・バウシュ 踊り続けるいのち」と、彼が手がけたドキュメンタリーの数は多い。

セバスチャン・サルガドの人生は、
第一章 バベルの塔を逆さにして地獄へと掘り進むかのごとき金鉱の採掘現場にあって、それでもなお夢を追う群衆に人の生の証を見る。
第二章 紛争地域という地球上で最も過酷な生き地獄に身を投じるが、それでもなおそこにある母と子の絆に救いを見る。
第三章 現代文明から遠く離れ伝承をまもり、いまなお生き残る少数民族、あるいは地球の果てで生きる動物の群れに人類と地球のユートピアを見る。
この三楽章で綴られていく。

永遠の時間を感じるモノクロームの超現実的な静止画像が映し出され、そこにその激しい現実に立ち会ったカメラマン本人の静かな言葉が重なる。
すると静止画像はスローモーション映像のように少しずつ動き始めたような錯覚にとらわれる。
途端に観客である僕たちは物凄い臨場感に包まれるのだ。
そして最終章では大きく安らぎに満ちた空気を吸うことになる。
すごいドキュメンタリー映画だなと思った。

そのとき、ビム・べンダースのドキュメンタリー映画は取材の足跡が1本の線を紡ぎながらもうひとつの物語を作り出すロードムービーなのだと理解した。

ちなみに原題となっている「Le sel de la terre(地の塩)」だが、マタイによる福音書5章13節からの引用で「あなたがたは、地の塩である。もし塩のききめがなくなったら、何によってその味が取りもどされようか。もはや、なんの役にも立たず、ただ外に捨てられて、人々にふみつけられるだけである。」とある。
つまり、汚れを清め、腐敗を免れる塩の役目を担う人々がそこにあってこそ、この世の中が救われる。と解釈して良いだろうか。

テーブル製作

オーガニック料理の母と呼ばれるアリス・ウォータース。
そして、彼女がアメリカのバークレーに開店した、世界初のオーガニックレストラン「シェ パニース」
そのアリスと「シェ パニース」をリスペクトし、渋谷、福岡、ほかで、「デイライト キッチン」という名のオーガニックカフェを経営する、塚本さん野崎さん夫妻から頼まれていた、テーブルとベンチを今日納品しました。

このお店は事務所から近いこともあって、客として通ううちにデッキスペースにちいさな小屋を建てたり、アウトドアのテーブルを作る相談を受けるようになって、いまは自分がここで過ごすのに最も心地良いと思えるものを作らせて貰っています。

今度のリクエストはソファ席とあまり変わらない低めの目線で子供も大人も一緒に食卓を囲めること。最大14名が一度に食事がてきること。この2点を実現する大テーブルとベンチになります。

20150731-3.jpg

40年前から一貫して安心・安全でサステナブルな食を提唱してきたアリスの、シンプルかつ豊かに暮らす考え方によりそったライフスタイルを僕たちなりに考えて形にして、このお店から「新しい時代の豊かさ」を発信していくことに私も小さいながら貢献しています。
渋谷にお越しの際は是非ここで素敵な時間をお過ごしください。
お待ちしております。

なお、お子様連れ大歓迎です。

デイライトキッチン
営業時間 11:00-16:00(L.O.15:00) 17:30-23:00(L.O.22:00)
土・日・祝日は 11:00-23:00(L.O.22:00)
東京都渋谷区桜丘町23-18ビジョナリーアーツ1F
03-5728-4528

さて、仕事は全て完了。
今から夏休みに入ります。

八幡平の高齢者住宅

昨日上棟式を行った八幡平の高齢者集合住宅の現場から空撮による雄大な映像が届きました。
設計段階にNext Pictureの冨田和弘さんにお願いして作成したパースと比べると面白いですね。
これは第一期32戸。
今後、手前の広場を囲うように第二期、第三期の計画があります。
一戸あたり約25平方メートルとややコンパクトですが、この自然景観を独り占めする住宅はやはり贅沢です。
60歳以上の方であれば入居可能です。
気になる賃料はフレンチのシェフにより併設のレストランで毎日三食提供される食事込みで月額約16万円の予定です。
1泊3食付き約5300円ってかなりのお値打ちものだと思いませんか?

20150731-1.jpeg20150731-2.jpeg

岩手行き

岩手行き

今、岩手県の八幡平で2つのプロジェクトが動いています。
一つは高齢者集合住宅、もう一つはリハビリを主体とした病院です。
どちらも敷地面積が1ha弱になるので、僕のこれまでの仕事の中では最大級となります。
だけど僕のやり方は普段の一戸建て住宅や別荘を考えるときと少しも変わりません。
朝、目覚めた時にベッドから見える風景が一番綺麗なプロポーションになるように開口部の高さと巾を風景を見る目線の角度から整えていったり、自分の部屋に帰ってくるのにできるだけ街に普通にあるようなノイズを敢えて持ち込んでみたり。
見かけの豪華さや風格と言ったものよりも「生きがい」や「楽しさ」に繋がっていくようなデザインを実現しようと戦っています。
監獄との違いを説明するのが困難なくらい、管理統制された、いわゆる「施設」計画とは明らかに間逆の方向を向いて考えようとしています。
管理側となるクライアントの方々に対してどのような言い方でこうしたイレギュラーを理解してもらえるのか、共感、賛同を得られるのか、スケッチブック片手に思考は続いていきます。

さて、今日は工事も折り返し点に来た高齢者集合住宅、第1期工事の上棟式がめでたく執り行われました。
明後日からの休暇を前に、朝から岩手に向かい、いま、夕日を見ながらの帰途についたところです。

image.jpgimage.jpg20150730-3.jpg

根津 はん亭

不忍通りの根津に「はん亭」という木造3階建の串揚げ屋さんがある。
ちょうど藝大と東大からそれぞれ坂道を下りた場所だ。
いかにも、という風情が光り輝き続けているお店である。

20150729.jpg

学生時代はここで食べることはひとつの憧れで、◯◯先輩の卒制の手伝いをしたらここでごちそうになった、などと噂にあがったりもしたものだ。
だから、社会人になって給料を貰うようになったとき、何はともあれこの店に食べに来た。
まだ若かったし、もうこれ以上無理、というほど「大人買い」ならぬ「大人食べ」したものだ。

ところで、給料をもらったら◯◯を買う、とか◯◯を食べに行く、とかいったことの想い出を聞くとなかなか人によって異なった面白い話が聞けるものである。

今日は久しぶりにここで会食した。
メンバーは医療系の設計仲間。
健康に気遣って食べ過ぎには注意。
僕は串揚げ好きの僕の娘たちからクレームが出ないように先週のうちに別の串揚げ屋さんに家族で食べに行ってあるので、ややLDL過多かも。
しかし、これも夜の外出のための重要な気配りなのだ。

猛暑の地鎮祭

ここのところ毎日猛暑が続いています。都心の最高気温は35度を超えたとか言ってますけど、測定点はノイズが出にくい場所でのこと。実際の都心は車やエアコンの排熱、ビルやアスファルトの反射や輻射、などの影響で、40度はとっくに超えているはずです。夜になっても暑さは緩むことなく、、、ホントどうかなってしまいそうな。。。
そんな週始めのこの月曜日、港区の白金台で設計していた集合住宅が着工することになり、地鎮祭が行われました。

image.jpg

現在、建設費はとても高騰しています。特にコンクリートの建物は高騰ぶりが顕著で、コストを予算内に合わせて着工させるのは設計するのよりも苦労します。
しかし、コストを合わせて着工しないことにはこれまでの長い時間をかけた仕事はすべて無駄になります。
だからなんとかしない訳にはいきません。
新国立競技場ではこれまでに設計に要した費用は精算されるようですが、一般の民間仕事ではなかなかそう簡単にはいかないことが多いです。

時々、異分野の方から建築家って儲かるんですか?などとたたわいない質問を受けることがあります。
しかし、たいていの建築家はう~ん、と下を向いて首を横に振るでしょう。
でも、仕事は楽しいですか?と聞かれたら、ほとんどの建築家はイエス、と答えると思います。
僕たちはクライアントの財産を預かって建築を作らせていただいています。
このことはとてもありがたいことです。
だからこのありがたい立場でいる以上、人が思いつかないような提案をしたい、なんとか見たことのないものを産み出そうと必死に考えます。
そこが建築を設計するときの面白さ、醍醐味の源泉といえます。

この白金台のプロジェクトもクライアントがお父様から継承した土地を生かしてご自分たちの生活を支えるためのとても重要なプロジェクトです。
来春の竣工に向けていよいよです。

さて、この猛暑。地鎮祭が終わって事務所に戻ると軽く熱中症と見られる症状が。
こんな暑さでも現場で作業をされている職人さんたちのことを思うと情けないですが、この日は無理をせず大事を取って早く家に帰りました。

Works更新のお知らせ(ザ・リッツ・カールトン・レジデンス)

今年3月に完成したザ・リッツ・カールトン・レジデンスのWorksをアップいたしました。
ぜひご覧ください。

I'm home No.076(2015/july 商店建築社刊)掲載のお知らせ。

I'm home No.076(2015/july 商店建築社刊)特集/緑に包まれて暮らす
46頁で「軽井沢T邸」が掲載されています。

Prev 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 13 Next

Page Top